【新腹部救急】症例3

【症例】60歳代女性
【主訴】下腹部痛
【現病歴】2日前より下腹部痛と発熱出現。週末であったため医療機関が閉まっていると思い我慢して過ごしていた。本日当院受診。
【既往歴】アキレス腱断裂、難治性咳嗽
【身体所見】意識清明、BP 110/80mmHg、PR 86、SpO2 97%(RA)、RR 20弱、腹部:平坦軟、腸雑音低下、下腹部に圧痛と反跳痛あるが、筋性防御はなし。Murphy sign(-)
【データ】WBC 11700、CRP 16.18

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S状結腸の周囲に脂肪織濃度上昇があることに気づきます。

よく見ると、脂肪織濃度上昇の中心部には高吸収な部分があります。

糞石が入った憩室であり、ここで憩室炎を起こしていることが示唆されます。

憩室が存在しているS状結腸そのものには明らかな壁肥厚は認めておらず、基本的に炎症は憩室およびその周囲のみであることが推測されます。

また穿通や穿孔、膿瘍形成を疑うような所見は認めていません。

 

診断:S状結腸憩室炎

 

※保存的に加療されました。

関連:大腸憩室炎とは?症状からCT画像所見を徹底解説!

その他所見:

  • 脂肪肝あり。肝嚢胞あり。
  • 右腎に小結石あり。軽度回転異常あり。
【新腹部救急】症例3の動画解説

憩室炎の画像診断のポイント

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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