【症例】70歳代 女性
スクリーニング
異常所見と診断は？
右優位にくも膜下腔に広範な著明な高吸収を認めています。
くも膜下出血！！！！
「脳外科のオンコールのPHS番号は・・・・」
いや、ちょっと待ってください。
出血にしては高吸収過ぎます。
ですので、造影剤が脳槽に存在していると考えます。
なんでこんなところに造影剤があるのでしょうか？
くも膜下腔に造影剤があるということは、ミエログラフィ後の可能性があります。
カルテのチェックをしましょう。
やはり、ありました。
頚椎CT
ミエログラフィ後にCTが撮影されていました。
C3／4の著明な狭窄があることがわかります。
頚椎症性脊髄症を疑う所見です。
診断：ミエログラフィ後の頭部CT
※その後、頚椎椎弓形成術(C3-6)が施行されました。
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今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
脳溝に沿って造影効果があるとは思いましたが、それがなんなのか分かりませんでした。SAHにしては、変だとは思いましたが。CT値で出血かを見ること&ミエログラフィーなどの検査歴がないかを考えたいと思います。
PS.外勤先でも、雪が降ってきました。ひどくならないうちに帰れると良いのですが。
今週も、いろいろと勉強させて頂きました。
症例そのものは、復習するのですが、整形領域の’骨折ハンター’のような本が見つけられずにいます…。おすすめは、ございますか？
アウトプットありがとうございます。
＞CT値で出血かを見ること&ミエログラフィーなどの検査歴がないかを考えたいと思います。
ミエロ後の場合はあまりに高吸収なことが多いのでCT値を測るまでもないかもしれませんが、数日後とかなら測定して方がいいかもしれません。
＞整形領域の’骨折ハンター’のような本が見つけられずにいます…。
整形のようにこの1冊というのはなくていろんなところからエッセンスを抜き出して作っています。
頭部CTだけならばこちらですね。3冊ですが・・・
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返信いただきありがとうございます。
整形領域と違って、これ1択っていうやつは無いんですね。ご紹介頂きありがとうございました♪
参考にさせて頂きます。
PS.外勤先から帰る時の新幹線は、自由席の通路に行列ができており、立ったまま1時間以上経過でしたー。土日にゆっくり復習したいと思います♪
立ったまま新幹線・・・お疲れ様です。
病院が指定席を取ってほしいところですが、外来で時間読めないこともありますもんね。そういうわけにはいかないのでしょうね。
面白い症例をありがとうございます。小脳の脳溝のしわしわが興味深かったです。大変すみませんが、二つ、質問させてくださいませ。
１。よく見ると第４脳質や（一部第３脳室も？）造影剤あります。これは、造影剤が脳槽からL孔M孔を逆流して脳室内に入ったという解釈で良いでしょうか？
２。「くも膜下腔」と「脳槽」の違いってなんでしょう？
私は「造影剤の脳槽残存」と回答したのですが、解説を読み、もちろん「くも膜下腔の造影剤」に異論はないのですが、、ちょっと気になり、調べてみたのですが、すっきりとした解説・記事を見つけられなくて。。。
アウトプットありがとうございます。
＞１。よく見ると第４脳質や（一部第３脳室も？）造影剤あります。これは、造影剤が脳槽からL孔M孔を逆流して脳室内に入ったという解釈で良いでしょうか？
そうですね。量も多いですし、逆流したと考えられます。くも膜下出血でもこのようなことはあります。
＞２。「くも膜下腔」と「脳槽」の違いってなんでしょう？
こちらにもあるように同義ですね。
http://www.igaku.co.jp/pdf/1109_brain04.pdf
クモ膜下腔：脳脊髄液がある部位，脳の主幹動脈が走行している，脳槽ともいう。
お忙しい中、ご返答をありがとうございました！！
ペンタゴンを形成していたのでくも膜下出血にしてしまいました。動脈周囲に造影剤があり動脈には入ってないという理解で良いですか？
アウトプットありがとうございます。
おっしゃるように動脈には入っていません。
9-10/25あたりでは造影されない内頚動脈や左優位に中大脳動脈が見えます。
これじゃ頭部救急講座だよな？と思いながらも、SAHにしてしまいました。頭の中になかったので、しっかり覚えておきます。
アウトプットありがとうございます。
＞これじゃ頭部救急講座だよな？と思いながらも
日常診療では絶対考慮しない思考パターンですねｗ
＞頭の中になかったので、しっかり覚えておきます。
頭部に限らず造影剤らしきものが残っていることが考えられるシーンはよくあります。
その際に安易に出血とせずに検査歴を確認することが大事ですね。
読影する方としてはできれば検査依頼時に書いてほしい内容ではありますが・・・。
くも膜下腔に高吸収なものであったので、ミエロ後であるとは想像できましたが、自分の中では勝手に、ミエロ後は頭に造影剤が行かないようにしなければならないものだと思っていました。最近はMRIで確認されることが多いと思いますので、今回の画像はなかなかお目にかかることは少ないと思いますので貴重な経験をさせていただきました。
アウトプットありがとうございます。
＞ミエロ後は頭に造影剤が行かないようにしなければならないものだと思っていました。
おっしゃるように、ミエログラフィ後は、頭部を高くする（ベッドの頭側を上げる）ことが一般的に推奨されています。
今回のは知らなかったですが、たどり着けました。SAH関連だと水頭症になっていないのでやはり除外だと思いました。石灰化なのか繊維過形成みたいなのが脳にもあるのかと思いましたがやはり違うかと。ミエロぐらいしか脳せき髄液に造影剤を入れないかと思い記載しましたが、『頭側に造影剤が流れるか？』疑問でした。答えを見た後だと、循環しているわけですから脳室方向以外には流れても問題ないと考えなおしました。ずっと出題の流れもちょっと関連して系統的で面白いです(いまさらですが)。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
＞循環しているわけですから脳室方向以外には流れても問題ないと考えなおしました。
おっしゃる通りですね。
＞ずっと出題の流れもちょっと関連して系統的で面白いです(いまさらですが)。ありがとうございました。
そうでないところもありますが、系統的に出題できるところはそのようにしています。
ありがとうございます。
ミエログラフィをよく行う病院だったので見慣れた画像でしたが、初めてのときは誰しもドキッとしていた症例でした。
ミエロは「腰椎穿刺部から造影剤注入 → 頭低位で頸部まで流す」ため、脳槽まで造影されるようです。
私の疑問に答えてくれたように思いありがたく思います。理解が深まりました。
アウトプットありがとうございます。
＞初めてのときは誰しもドキッとしていた症例でした。
ですね(^^)
＞ミエロは「腰椎穿刺部から造影剤注入 → 頭低位で頸部まで流す」ため、脳槽まで造影されるようです。
補足いただきありがとうございます。
一見びっくりしますが、造影効果が強いのでわかりました
アウトプットありがとうございます。
ですよね。
強すぎるのでpseudo-SAHとするまでもないくらいですね。
SAHと分からないくらいの絶妙な濃度の症例があればよかったのですが・・・。