頭部画像診断 TIPS症例56

【頭部】TIPS症例56

【症例】20歳代 女性

スクリーニング

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異常所見と診断は?

 

頭蓋内出血や占拠性病変は認めません。

右の頬部に腫脹および皮下の脂肪織濃度上昇を認めています。

骨条件を見てみましょう。

すると、右の頬骨に骨の肥厚および、ほぼ均一な骨硬化を認めています。

冠状断像においても同様です。

このように骨が太くなり、骨硬化を認めた場合、まず考えるべきは線維性骨異形成症です。

 

診断:線維性骨異形成症疑い

 

※悪性腫瘍の既往がある場合は、骨転移(造骨性骨転移)の可能性も考慮します。この方は、他院で生検で線維性骨異形成症と診断されています。

 

関連:線維性骨異形成症(FD)とは?CT、MRI画像診断のポイントは?

【頭部】TIPS症例56の動画解説

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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過去のコメント
  1. 若く頬が腫れているので、転移ではないだろうと思い(骨には気づいてませんでした。反省です。)骨繊維過形成に気づきませんでした。軟部組織が腫れることは良くありますか?ありがとうございます。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >軟部組織が腫れることは良くありますか?ありがとうございます。

      よくあることではないと思われます。
      今回記載しておりませんが、疼痛の症状があり、炎症があるのだと考えられます。
      診断されているかかりつけ医にその後行かれており、詳細は不明ですが。

  2. 周囲軟部陰影からも、骨転移や腫瘍浸潤をまず考えました。
    線維性骨異形成症が頭の隅にもなかったことは反省ですが、ここの鑑別は生検や担癌等のエピソードが重要になりそうですね。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >線維性骨異形成症が頭の隅にもなかったことは反省ですが、ここの鑑別は生検や担癌等のエピソードが重要になりそうですね。

      均一な骨硬化やすりガラス影を見た場合は線維性骨異形成症も考慮しましょう。
      おっしゃるように既往歴など大事になりますね。

    1. アウトプットありがとうございます。

      脳外科医としては頭蓋内に目が行ってしまうかも知れませんね(^_^;)
      骨条件で観察しないと厳しいかもしれません。