【症例】60歳代男性
【主訴】頭痛
【現病歴】市場で就労中に、エレベーターに挟まれ、その後転倒。
【身体所見】特記すべき異常所見なし。
画像はこちら
頭蓋骨に骨隆起があるけど、これはなに？
後頭骨の外板（外後頭隆起）に接して背側に突出する骨硬化性隆起病変を認めています。
骨条件の矢状断像ではその様子がより明瞭です。
骨隆起性病変は均一な骨硬化を示しています。
硬化性骨転移でしょうか？
ではなくて、このような形態を示すものを骨腫（こつしゅ、osteoma）といいます。
最も頻度の高い良性の骨腫瘍です。
診断：（頭蓋骨）骨腫
関連：頭蓋骨より突出する骨硬化を示す骨腫(osteoma)とは？画像のポイントは？
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
いつもお世話になっております。
日々知らないことを知れて精進しております。骨腫は知らなかったので、大変勉強になりました。
右頬部リンパ節？が少し気になったのですが、これくらいは正常なのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
＞右頬部リンパ節？が少し気になったのですが、これくらいは正常なのでしょうか。
同部は耳下腺内であり、耳下腺周囲リンパ節とか耳下腺内リンパ節と呼ばれます。
顔面の上中部に発生した皮膚癌で転移することがありますが、今回は確かに少し目立ちますが、正常範囲かなと考えられます。
ちなみに、唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺がありますが、リンパ節を含むのはこの耳下腺のみです。
（参考：頭頸部の画像診断 改訂第2版 P461、229）
外傷のエピソードで外傷性変化は明らかなものはなさそうだし見たことないものを聞かれ、あたふたしてしまいました…笑。骨腫…。名前は聞いたことがある程度でした。
今年も残りわずか！
エアコンを消し忘れて外勤に行ったため、家の中が温室(というよりは熱帯)のようになっているのではと少し心配している現在です(笑)
勉強不足のところを補いつつ来年に備えたいと思います！
アウトプットありがとうございます。
＞家の中が温室(というよりは熱帯)のようになっているのではと少し心配している現在です(笑)
まさかつけっぱで当直ですかね・・・。
今年もありがとうございました。
って明日もありますね。
悪性腫瘍の転移性病変？
とかも鑑別には入れるべきでしょうか？
一般撮影で前腕とか、下腿骨によくみられる外骨腫みたい感じです。
あと両側の上顎洞の内部が２つに分かれてるような気がするのですがこれは正常変異でしょうか？
アウトプットありがとうございます。
＞悪性腫瘍の転移性病変？とかも鑑別には入れるべきでしょうか？
形状が典型的ですので、通常は骨転移は鑑別には挙がらないことが多いです。
＞あと両側の上顎洞の内部が２つに分かれてるような気がするのですがこれは正常変異でしょうか？
そうですね。たまに隔壁を認めることがあります。
骨腫、名前を聞いたことがあるだけで実際の画像を初めて見ました。
また一つ賢くなってしまいました。ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
＞骨腫、名前を聞いたことがあるだけで実際の画像を初めて見ました。
骨条件にしないと気づきにくいので普段気づいていないだけということもあると思います。
それくらいレアなものではありません。
悪そうなものや、外傷関連には見えませんでしたが、実際出会ったこともなく、よい勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
それほどレアではないので骨条件で観察されるとサイズの小さなものはたまに遭遇されると思います。
外傷でなくても是非骨条件でチェックしてみてください。
普段MRIを担当しているためか、このように辺縁整で滑らかな物を見ると柔らかそうに見えて仕方ありませんが、骨腫と回答できました。
アウトプットありがとうございます。
たまに見かける疾患ですね。
線維性骨異形成 Fibrous Dysplasiaと答えてしまいましたが、骨腫は繊維化によるものと思っていました。類似疾患と一般向けの記事には書いていましたが、別物のようですね。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
＞線維性骨異形成 Fibrous Dysplasia
の場合はすりガラスになる傾向にありますね。
典型例はCTだけで、よく診断されています。
ですね。
今日もありがとうございます。
前頭骨や頭頂骨で小さい骨腫を見ることはあっても今回のようなサイズを見るのは初めてでインパクトありました。
内板に発生しても今回の症例のように茸状に発育するのでしょうか？
アウトプットありがとうございます。
＞内板に発生しても今回の症例のように茸状に発育するのでしょうか？
基本同じような形状です。
ちっさいのを見たことがありますが、改めて勉強したことはなかったので勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
＞改めて勉強したことはなかった
ですね。頻度が割とあるのに、あまり書籍などは解説されていることが少ないかもしれません。
骨疾患が全然浮かばず、骨メタではなさそうだけど何？となりました。骨の病気を全然知らないことに気がつきました。
とりあえず良性の骨腫を覚えます！
アウトプットありがとうございます。
割と日常臨床でも見るものなので探してみてください。
苦し紛れに外骨腫と出しましたが名前だけ似ていました笑
アウトプットありがとうございます。
骨軟骨腫を外骨腫とも呼ぶようですね。
いつもお世話になっております。
調べて答えられましたが、初めて見ました！
何も知らなかったらびっくりしそうな所見なので学べてよかったです。
アウトプットありがとうございます。
＞何も知らなかったらびっくりしそうな所見なので学べてよかったです。
ですね。頭部外傷などのスクリーニングで現場でもたまに見られる所見です。
“転倒した”ということなので、骨折はないか？血腫はないか？と張り切って笑、探しました。
まず一瞬、頭蓋骨の縫合を骨折と間違えました(^_^; 危ないですね。
次に、16枚目あたりの画像の両側シルビウス裂外側において、脳脊髄液と等吸収~やや高吸収の部分が拡大しているように見え、怪しく思えます。硬膜下血腫もしくはくも膜下血腫を疑いました。
また、左のシルビウス裂は右に比べてやや拡大しているように思いました。
これぐらいでは異常とは言えませんかね？ 感覚が分からないので、ご教授お願い致します。
骨腫は内板 or 外板由来。いずれの由来であっても、皮質骨で構成され、プロトンを含まないため、MRIでは基本的に無信号ということですね。
一方で、板間層は海面骨であり、脂肪を含むため、脂肪と同じようなMRI信号パターン(T1で高信号、T2ではSE法なら低信号、FSE法なら高信号)を示すということですね。
P.S. ジム、いいですね！私はヨガをやっています。
体のメンテナンスは大事だな~と実感します。実際、毎日のパフォーマンスが違うと思います。
アウトプットありがとうございます。
＞16枚目あたりの画像の両側シルビウス裂外側において、脳脊髄液と等吸収~やや高吸収の部分が拡大しているように見え、怪しく思えます。
これは血管ですね。
＞左のシルビウス裂は右に比べてやや拡大しているように思いました。
ほとんど差はないですね。有意とは言えないです。
＞MRIでは基本的に無信号ということですね。一方で、板間層は海面骨であり、脂肪を含むため、脂肪と同じようなMRI信号パターン(T1で高信号、T2ではSE法なら低信号、FSE法なら高信号)を示すということですね。
おっしゃるとおりです(^^)
＞私はヨガをやっています。
体のメンテナンスは大事だな~と実感します。実際、毎日のパフォーマンスが違うと思います。
ヨガいいですね。
ジムの教室で一度参加したことがあるのですが、全然できませんでした。
また挑戦してみたいと思います。
体のメンテナンスは運動、栄養（サプリ含む）、睡眠全部重要ですね。
以下のコメントが大変勉強になりました。ありがとうございました。
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骨腫は内板 or 外板由来。いずれの由来であっても、皮質骨で構成され、プロトンを含まないため、MRIでは基本的に無信号ということですね。
一方で、板間層は海面骨であり、脂肪を含むため、脂肪と同じようなMRI信号パターン(T1で高信号、T2ではSE法なら低信号、FSE法なら高信号)を示すということですね。
アウトプットありがとうございます。
おっしゃるとおりです。
似たようなものに大脳鎌にも骨髄（脂肪）を含んだ石灰化を認めることがありますね。
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