頭蓋骨骨腫(skull osteoma)
- 最も頻度の高い良性の骨腫瘍。
- 緩やかな発育を示す良性腫瘍で骨膜から発生する成熟皮質骨からなる。
- 通常外板に由来する。内板から発生することもある。
- 内板由来の場合は石灰化髄膜腫と鑑別する。
- 板間層を侵すことは稀。
- 中高年女性に多い(男女比1:3-8)。
- 円形のivory-like densityと呼ばれる均一な緻密骨濃度で内部構造を伴わないことが多い。
- 副鼻腔骨腫では8割が前頭洞、2割が篩骨洞に発生。
- 多発性骨腫ではGardner症候群を考慮。
画像所見
- CTでは骨硬化像として認める。
- MRIではT1WI、T2WIともに低信号(無信号)を呈する。
- 内板由来のものは、石灰化髄膜腫に類似。ただし石灰化髄膜腫と比較して造影される部位は少ない。
症例 80歳代男性
右側頭部に外板より突出する骨硬化あり。T1WI及びT2WIにていずれも低信号(無信号)を示す。骨腫(osteoma)を疑う所見。
症例 70歳代男性
右側頭部に外板より突出する骨硬化あり。骨腫(osteoma)を疑う所見。
T2強調像で病変全体が低信号を示すことがある病変
- 嚢胞性病変(内部に出血や高タンパクな液体を伴う場合)
- 副鼻腔の粘液瘤、術後性上顎嚢胞、貯留嚢胞
- 鰓裂嚢胞
- 甲状舌管嚢胞
- 線維性骨異形成
- 骨腫(osteoma)
参考文献:
診誤りやすい正・異常の境界画像 P50