甲状腺先天性疾患
1、形成異常
- 非常に稀。
- 片側葉あるいは両側葉の欠如。
- 片側葉:左葉>右葉
- 欠けているから異所性甲状腺だと思ってしまい、舌根を探したりするが、それでもないので、診断に至らない。
2、異所性甲状腺
- 90%は舌盲孔部(舌甲状腺)に存在する。
- 8割が機能性甲状腺組織。誤って切除しないようにする。切除すると甲状腺機能低下症になる。
- CTが有用で単純CTで高吸収となるのが特徴。
症例 20 歳代の女性。睡眠時無呼吸症候群の精査。
2014年放射線科診断専門医試験問題70より引用。
頸部単純CTにて正中に高吸収域あり。
また本来甲状腺のある部位に甲状腺を認めず、異所性甲状腺の疑い。
症例 22 歳の女性。嚥下障害を主訴に来院。
2005年放射線科診断専門医試験問題12より引用。
単純CTにて舌根部の正中に境界が明瞭なの高吸収腫瘤あり。
MRI T1 強調像矢状断では低信号〜等信号をきたしている。
舌根部甲状腺(異所性甲状腺)を疑う所見。
症例 3 カ月の男性乳児。精査のため99mTcO4-検査を受けた。
2008年放射線科診断専門医試験問題67より引用。
正常甲状腺への集積を認めず、顎下腺への生理的集積の中央やや頭側に異常な集積あり。
舌根部甲状腺を疑う所見。
異所性甲状腺の多くは甲状腺機能低下をきたす。
症例 34 歳の女性。CT で舌根部に腫瘤を指摘。
2005年放射線科診断専門医試験問題67より引用。
正常甲状腺への集積を認めず、舌根部正中に集積亢進あり。舌根部甲状腺を疑う所見。
3、甲状舌管嚢胞(正中頸嚢胞)
- 65%が舌骨甲状間膜部
- 舌骨上、舌内にも。MRI/CTが有用。
- 舌骨上は正中、舌骨下は正中/傍正中。
- 単房性〜多房性
- 感染合併
- 甲状腺癌の合併<1%
症例 70歳代男性 スクリーニング
甲状舌管嚢胞(正中頸嚢胞)を疑う所見。
動画でこの症例をチェックする。
症例 30 歳代の女性。頸部腫瘤
2012年放射線科診断専門医試験問題19より引用。