小児の外傷
・10歳男児 後方へ転倒し左手をついて受傷したときの受傷機転は?
→FOOSH(Fall On Out Stretched Hand)
・小児の骨折はわかりにくい。
・必ず左右差を比較。
・骨折は臨床診断。
・疑えば必ずフォローを。
・小児の骨は柔らかい。穴あきチーズみたいな骨。骨膜は強い。
・骨皮質のみ骨折→buckle骨折→Greenstick骨折
・骨皮質破綻なし。曲がるだけ。→bowing骨折。
・靭帯は強いので靭帯が切れるくらいなら、骨が折れる。
上腕骨顆上骨折
・小児の肘の骨折の約60%。
・5-7歳が発症のピーク。
・受傷機転は96%がFOOSH。特に後方に多い。
・合併症:神経障害10%、コンパートメント症候群、内反肘、骨化性筋炎など。
・Volkmann拘縮:前腕コンパートメント症候群。末梢の拍動よりも末梢の色調に着目する。
・神経障害のチェック方法:グー、チョキ、パーをしてもらう。グーができれば、正中神経は大丈夫(できなければ、猿手)。チョキが出来れば橈骨神経は大丈夫(できなければ下垂手)。パーができれば尺骨神経は大丈夫(できなければ、鷲手)。
・猿手と、下垂手は伸展型に多い。鷲手は屈曲型に多い。
・OKサインをしてもらう。できなければ(潰れてしまう)、前骨間神経麻痺(正中神経)。
・分類(Gartland分類)1-3型あり。健側と比較して、Baumann角>Δ5°、tilting angle>Δ15°ならば整復が必要。
・骨折線がわかりにくいときは、超音波(感度98%、特異度70%)。posterior fat padもしくは、脂肪血関節症をみる。
・原則整形外科コンサルト。
▶レントゲン所見
・関節内血腫ができると油の低吸収(anterior fat pad)が持ち上がってくる。(sail sign)
・posterior fat padは見えたら異常。
・骨折線は見えないこともある。
成長板骨折(physeal骨折)
・Salter-Harris分類:骨端線損傷は小児の全骨損傷の20%。
・TypeⅤは骨端軟骨板が圧挫された型の損傷であるためX線には写らない。MRIによる診断が必要。
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