Sturge-Weber症候群
- Sturge-Weber症候群は“三叉神経血管腫症(encephalotrigeminal angiomatosis)” とも呼ばれ、三叉神経第1枝領域の顔面、眼球脈絡膜、脳軟膜の血管腫を特徴とする。
- 約 50,000人に1人ほどで、孤発性に生じる。性差はない。
- ほとんどにてんかん、精神発達遅滞、顔面のポートワイン様血管腫が見られる。同側の緑内障を認める事がある。
- 病理上は側頭、頭頂、後頭葉を中心とする脳軟膜の毛細血管、静脈の血管腫および石灰化を特徴とする。
- 多くは生後1年以内に部分けいれんで発症する。
- 生後1年未満では片側性大脳萎縮の兆候として、頭蓋骨の非対称性が重要。
- IQが正常範囲の者も3割いるが、110以下。
- 難治性痙攣では外科的治療は知的予後の観点から生後1年未満が望ましい。
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Sturge-Weber症候群の画像所見
- CTで認められる脳回に沿った石灰化(gyral calcification)が有名であるが、5歳以前では認められないことが多く早期の診断には役立たない。
- 造影MRlが早期の診断に最も有用。髄軟膜の血管腫を脳回、脳溝の異常増強効果として描出。
- 血流増加のため、脈絡叢は増大する。通常は同側片側性。
- 石灰化は脳軟膜血管腫領域の皮質~皮質下に生じ、慢性的な虚血によるものと推察されている。石灰化はMRIではT2強調像にて脳回に沿った低信号として認められ、T2* 強調像や磁化率強調像ではより鋭敏に描出される。
- 進行例では病変部の皮質は萎縮し,白質は虚血やグリオーシスを反映してT2強調像,FLAIR像にて高信号域を呈する.
- また、進行例では脳軟膜の造影剤増強効果が認められないことがある。