先に結論:造影剤の副作用を減らす方法

  • 造影剤の副作用を確実に防ぐ方法は確立していません
  • 検査前後の十分な水分補給と不安を和らげる説明・声かけが一般に勧められています(アレルギー様の副作用を減らす効果の根拠は限られます)。水分補給は造影剤腎症の予防の目的でも行われます
  • 副作用は注射後1時間以内の即時型(じんましん・かゆみ・息苦しさなど)と、1時間以降〜数日後の遅発型(発疹など)に分けられます
  • 以前に副作用があった人などでは、ステロイド・抗ヒスタミン薬の前投薬や別の種類の造影剤への変更を考えますが、それでも起こりうるため、すぐ対応できる準備をしておきます

造影剤の副作用を低減する方法

  • 残念ながら、造影剤の副作用を低減する方法は、確立していない。
  • 水分補給、不安の除去が大事と言われる。
  • また、有効性は確立していないが、ステロイドや抗ヒスタミン剤を前投薬として用いた場合、副作用全体の発現率が低下したとの報告あり。ただし、低浸透圧・等浸透圧造影剤による過敏反応の再発を、ステロイド・抗ヒスタミン薬の定型的な前投薬で防げるという根拠は乏しく、前投薬をしても再発はすべては防げない。国内の771例の検討では、以前に副作用が出た人に同じ造影剤を前投薬なしで使うと27.7%で再発したのに対し、前投薬のみでは17.3%、造影剤の変更のみでは5.2%、前投薬と変更の併用では2.7%で、造影剤の変更のほうが有効と報告されている。
  • 低浸透圧造影剤でも血液より浸透圧が高く、一度にまとまった量が使われるため、水分補給は大事と考えられている。造影剤腎症を低減する目的でも行われる。
  • 不安を和らげる配慮も勧められる(副作用発現率を下げる効果の根拠は限られる)。

例)検査室に音楽を流す、患者さんをリラックスさせる。

造影剤の副作用の頻度と症状

  • 日本の大規模な研究では、副作用は非イオン性(低浸透圧)造影剤で3.13%、重いものは0.04%で、イオン性造影剤(12.66%・0.22%)より大きく減っていました(Katayama 1990)。
  • 過敏反応は1時間以内の即時型と、それ以降〜数日後の遅発型に分けられ、即時型では皮膚の赤み・じんましんが70%以上、遅発型では発疹が多くみられます(Rosado Ingelmo 2016)。

造影剤の副作用でよくある疑問(Q&A)

Q1. 検査中・検査後に副作用が出たらどうすればよいですか?

かゆみ・息苦しさ・気分の悪さなどはすぐにスタッフに伝え、帰宅後や数日後の発疹も検査を受けた医療機関に連絡してください。アナフィラキシーの治療はアドレナリンの筋肉注射が第一選択です(Cardona 2020)。

Q2. ステロイドを前もって使えば副作用は起こりませんか?

すべては防げません。前投薬を受けた人でも、以前に副作用があった人の2.1%で再び反応が起こりました(Mervak 2015)。以前の副作用の内容は検査前に伝えてください。

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参考文献

  1. Shaker MS, Wallace DV, Golden DBK, et al. Anaphylaxis-a 2020 practice parameter update, systematic review, and Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation (GRADE) analysis. J Allergy Clin Immunol. 2020;145(4):1082-1123. PubMed
  2. Brockow K, Ring J. [Radiographic contrast media hypersensitivity. New understanding of pathophysiology with implications for patient management]. Hautarzt. 2005;56(1):32-37. PubMed
  3. Abe S, Fukuda H, Tobe K, et al. Protective effect against repeat adverse reactions to iodinated contrast medium: Premedication vs. changing the contrast medium. Eur Radiol. 2016;26(7):2148-54. PubMed
  4. Mervak BM, Davenport MS, Ellis JH, et al. Rates of Breakthrough Reactions in Inpatients at High Risk Receiving Premedication Before Contrast-Enhanced CT. AJR Am J Roentgenol. 2015;205(1):77-84. PubMed
  5. Lasser EC, Berry CC, Talner LB, et al. Pretreatment with corticosteroids to alleviate reactions to intravenous contrast material. N Engl J Med. 1987;317(14):845-9. PubMed
  6. Katayama H, Yamaguchi K, Kozuka T, et al. Adverse reactions to ionic and nonionic contrast media. A report from the Japanese Committee on the Safety of Contrast Media. Radiology. 1990;175(3):621-8. PubMed
  7. Rosado Ingelmo A, Doña Diaz I, Cabañas Moreno R, et al. Clinical Practice Guidelines for Diagnosis and Management of Hypersensitivity Reactions to Contrast Media. J Investig Allergol Clin Immunol. 2016;26(3):144-55. PubMed
  8. Cardona V, Ansotegui IJ, Ebisawa M, et al. World allergy organization anaphylaxis guidance 2020. World Allergy Organ J. 2020;13(10):100472. PubMed

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