造影剤濃度、量と副作用の関係

  • 造影剤投与量と副作用発現率に相関はない。(Radiology 175:621-628(1990))
  • 造影剤濃度と副作用発現率に相関はない。(Appl Radiol 31(3):34-37(2002)、Radiology 262(2):475-484(2012))
  • 造影剤濃度と腎機能への影響に相関はない。(Acta Radiol 37:962-965(1996)、Contrast Media in Radiology:211-214(1982))

自動注入器を用いて造影剤を注入する際の留意点

  • 急速注入の際には、注入圧が高くなるため、留置針を用いて耐圧性の高い延長チューブを使用する。
  • 血管外漏出に対するモニターをする。患者さんの反応、注入部位の疼痛、膨隆、腫脹、違和感など。

どの血管から造影剤を注入するべきか?

  • 右肘静脈がベスト
  • 左肘静脈だと、心臓に到達するまでの距離が長いため(さらに頸静脈は右のほうが左よりも流速が早く、左の場合は総頸静脈への逆流の可能性があるため)に、造影剤の到達時間の遅延、静脈内の造影剤のアーチファクトによる、動脈描出の妨げ、3D画像作成での骨との分離困難、末梢に到達する造影剤のボーラス性の減少といった問題が生じる可能性あり。(ちょっと役立つ造影検査に関する話題CT編 Contrast media in Practice(ver.2.0)日本放射線科専門医会・医会、バイエル薬品株式会社 P52)
  • 手背や足の静脈はできるだけ避ける。

造影剤を投与するルートの注意点

  • 既存ルートでは耐圧性に乏しいため、新たなルート確保することが望ましい。
  • ただし、新たなルート確保が困難な場合は、生理食塩水でフラッシュして、他の薬剤と造影剤が混ざらないようにする。また、既存ルートでは高速注入は行わないのが望ましい。
  • 薬剤どうしの接触は何が問題か? 抗ヒスタミン薬や、ステロイドなどと混合されることにより配合変化が生じる可能性あり。
  • IVHやリザーバーカテーテルから造影剤を投与してもよいか?耐圧性が高くないため避けるべき。どうしても使うなら、カテーテルの耐圧リミットを確認する。

造影剤の加温、注入速度、血管外に付着した場合の注意点

  • 造影剤を加温した方がいいか? 特に細い針を使用し、高速注入するときは加温した方がよい。粘稠度が下がるため(X線造影剤 基礎と臨床の概要P14(2012))。
  • 造影剤の加温により血管外漏出の頻度が低下する可能性を示唆する報告あり(Radiology 262(2):475-484(2012))
  • 造影剤の注入速度と副作用発現率に相関はない。熱感などの頻度は増加(Radiology 209(2):411-416(1998))。
  • ヨード造影剤が眼にはいったり、衣服についたら? 特に心配はない。微温湯や水、生理食塩水で洗浄すればよい。

(ちょっと役立つ造影検査に関する話題CT編 Contrast media in Practice(ver.2.0)日本放射線科専門医会・医会、バイエル薬品株式会社 P52-53)

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