脾炎症性偽腫瘍(splenic inflammatory pseudotumor)

・様々な臓器に発生(肝、脾、消化管、腸間膜、膀胱、リンパ節、気道、肺、髄膜、 軟部組織、眼窩など)

・無症状、偶然発見例も多い。

・腹痛、発熱、白血球増多、貧血、脾腫などを認めることあり。

・原因は不明であるが、ウイルス感染(EBVなど)や循環不全、限局性の壊死、出血、特殊な細胞性免疫、脾静脈血栓などが考えられている。

・悪性腫瘍を含めた他の腫瘍との鑑別が難しい。特異的な画像所見がなく、脾臓摘出が診断的治療として推奨されている。

・病理:
・線維芽細胞あるいは筋線維芽細胞を含む間質に、形質細胞、リンパ球、組織球といった炎症細胞が浸潤したもの。
・膠原線維バンドを伴うことあり。小さな壊死部を伴うこともあり 。

画像所見

・線維性間質の性状の違いなどに起因して、様々な画像所見を呈しうる。

▶MRI所見:T1WIで等信号〜わずかに高信号、T2WIで低信号〜高信号。

▶造影CT/MRI所見:
・軽度から中等度の濃染あるいは不均一に濃染。

※造影CTで線維化プラークに一致する中心satellite areaが存在すれば、本疾患が示唆されるとの報告あり。

・遷延性、遅延性濃染を示すことが多い。

参考)肝胆膵の画像診断 P504-505

ご案内

腹部画像診断を学べる無料コンテンツ

4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。

胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ

1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。

画像診断LINE公式アカウント

画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。