上皮内腺癌(adenocarcinoma in situ(AIS))
- 末梢肺の既存構造に沿って肺胞上皮を置換しながら進展(lepidic pattern) し, 浸潤部分がないもの。
- 2cm以下のpure GGNの多くはこれ。(5mm以下はAAHが多い。)
- かつての野口分類のA型およびB型に相当する。
- 上皮内腺癌は粘液産生性および粘液非産生性と混合性に分類される。pure GGNを呈するのは粘液非産生性であり、粘液非産生性の腫瘍細胞では肺胞内に含気が認められる。
- このために、HRCT上ですりガラス影を呈する。
- 腫瘍内に線維化が起こり病巣の収縮性変化が生じると、病理学的な浸潤部分が5mm以下であれば微小浸潤癌と診断される。
- 完全に切除されれば患者の生存は100%。AISの大部分はnon-mucinousである。
参考)粘液産生性の腺癌は、肺胞上皮を置換しながら進展する上皮内腺癌の場合であっても、腫瘍腫瘍により産生される粘液が肺胞や細気管支内を充満しているために、HRCTで粘液部分は充実性の軟部組織吸収値を呈する。上皮内腺癌でも粘液を産生する腫瘍は,浸潤癌(invasive adenocarcinoma)との鑑別がCTでは困難である。