網谷病とは(特発性上葉限局型肺線維症:idiopathic pulmonary upper lobe fibrosis)
- 1992年、網谷らによって提唱された概念。
- 両側上葉におおむね限局した原因不明の胸膜直下優位に進行性の肺線維化をきたす疾患。
- 反復性の気胸を高率に合併。
- 結核や非定型抗酸菌症と診断されることが多い。しかし抗酸菌は検出されない。
- 10〜20年の経過で、呼吸不全にて死亡することが多い。
- より広い病態を含んだ似た概念に、PPFE(Pleuroparenchymal fibroelastosis)がある。
網谷病(上葉限局型肺線維症)の特徴10項目
- 細身体型、胸郭扁平
- 両肺上葉が進行性に縮小、肺門挙上、中下葉異常なし。
- Apical cap(上葉胸膜直下に優位な陰影)
- 嚢胞を形成するが蜂巣肺はなし。
- 両側反復性気胸
- 胸郭外病変なし
- 肺結核なし
- 進行例でアスペルギルス感染を合併
- 緩徐に進行、10〜20年の経過で死亡
網谷病のCT所見
- 肺尖部を主体に胸膜肥厚→連続して肺内に帯状影・線維性変化あり。
- 蜂巣肺はみられないのが重要。
- 進行すると下肺野にも及ぶ。
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