滑膜嚢胞(傍椎間関節嚢胞)synovial cyst,facet cystとは

synovial cyst figure

  • intraspinal synovial/ganglion cyst,facet cyst,degenerative intraspinal cystとも呼ばれる。
  • 椎間関節の変性によって発生する嚢胞。
  • 椎間関節との連続性が画像で確認できれば、診断可能であるが、画像でこのような所見が確認されることは少ない。
  • 椎間関節(facet joint)近傍で、硬膜嚢の後方外側に存在し、L4/5レベル(70%)に好発する。L5/S1、L3/4レベルにも発生。頸椎レベルでも発生。
  • 50〜70歳代、男女比は2:1。
  • 変性や外傷に起因するとされる。
  • 脊柱管外にも発生することがあり、この場合には神経根症状を伴わない。
  • 治療は外科的切除が一般的だが、CT、MRIガイド下の内容吸引、ステロイド注入なども。

滑膜嚢胞(傍椎間関節嚢胞)の画像所見

  • 1-2cmの単房性の円形ないしは類円形の嚢胞性腫瘤。
  • 硬膜嚢の後外側、椎間関節の近傍に位置する。まれに椎間孔に位置することもある。椎間関節造影で、関節腔と嚢胞に連続性を認める。
  • 内容物はT1WIで低〜高信号、T2で等〜高信号を示すことが多い。
  • 辺縁部はT1、2WIともに低信号を呈し、ヘモシデリン沈着、隔壁の線維組織、石灰化を反映。
  • 造影MRIでは嚢胞壁の濃染を認める。
  • 画像上はガングリオン(ganglion cyst)との鑑別は困難であり、そのため両者を合わせて椎間関節嚢胞(facet cyst)としてまとめている。
 症例 80歳代男性

intraspinal synovial:ganglion cyst

L5/S1に椎間関節に接して嚢胞性病変あり。

T1WIにて淡い高信号、T2WIにて高信号を示しています。

椎間関節に連続する嚢胞性病変であり、滑膜嚢胞(傍椎間関節嚢胞)を疑う所見です。

症例 70歳代男性

synovial cyst1

L4/5にて左椎間関節に連続する7mm大の嚢胞性病変あり。

滑膜嚢胞(傍椎間関節嚢胞)を疑う所見です。

症例 40歳代男性

synovial cyst

L5/S1左側に椎間関節に連続する嚢胞性病変あり。

左S1の神経根を圧迫しています。

滑膜嚢胞(傍椎間関節嚢胞)を疑う所見です。

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