子宮筋腫赤色変性
- 子宮筋腫はさまざまな変性をきたすが、その中で子宮筋腫赤色変性は臨床所見や画像所見に特徴がある変性である。
- 割面が暗赤色を呈するためこう呼ばれる。
- 筋腫の静脈閉塞による出血性梗塞。
- 頻度は子宮筋腫の3%。妊娠中に限ると8%。
- 変性子宮筋腫部の疼痛が強く発熱を伴うこともある。
- この赤色変性と有茎性筋腫の茎捻転は共に急性腹症の原因となりうる。
- 子宮が急激に増大する妊娠中の急性腹症の発症が多い。
- 出産や中絶直後、経口避妊薬服用もリスクファクターであり、子宮筋腫が指摘されている患者が急激な腹痛で来院した場合には必ず鑑別診断として考慮する。
子宮筋腫赤色変性のMRI画像所見
- 筋腫の出血性梗塞の所見を来す。
- まず静脈性梗塞を来すため、初期には筋腫辺縁を縁取るT1WI高信号(メトヘモグロビン)、T2WI低信号(デオキシヘモグロビン)を認める。血栓閉塞した静脈内の凝血した赤血球(細胞内メトヘモグロビン)を示す。
※T1WIの高信号は数日後の亜急性期より出現。T2WIの低信号は半日程度で出現。 - 筋腫内部は、出血性梗塞を反映しT1WIで時間経過とともに高信号化する。T2WIはさまざま。
- やがて動脈血も低下し、筋腫全体の造影増強効果が欠如する。
- 単純CTでは赤色変性部位が、高吸収を示す。
症例 40歳代女性
T1強調像でリング状に辺縁を中心に高信号を認めています。
造影剤を用いた造影T1強調像では、腫瘤には造影効果を認めておらず、子宮筋腫の赤色変性と診断されました。
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