大腸腸閉塞(大腸閉塞、結腸閉塞)とは?
- 腸管閉塞の約25%
- 小腸と異なり、大腸が閉塞しているときは、ほとんどが癌のような機械的閉塞があるため、造影CTを施行し閉塞部位の評価をする。
- 原因としては、大腸癌(60%)>軸捻転症(10~15%)>憩室炎。その他、虚血性腸炎、放射線腸炎、腸重積、宿便など。
- 大腸癌によるものでは、S状結腸癌>直腸癌>横行結腸癌>下行結腸癌>上行結腸癌>盲腸癌の順に多い。左側結腸に多い。水分が吸収されて固い方が詰まりやすいから。
- 軸捻転で最も頻度が高いのはS状結腸。
- 高齢者の大腸閉塞を見た場合は、大腸癌か結腸軸捻転の可能性を考慮し、原因検索する。
- 臨床症状は、腹痛や腹満、便秘、嘔気・嘔吐など。
- 閉塞部位の口側に炎症性潰瘍性病変を生じることがあり、閉塞性大腸炎という。全大腸癌の約1%に見られ、好発部位はS状結腸。
- 治療は、大腸癌による閉塞では①腸閉塞に準じた治療、②経肛門的イレウス管、待期手術。S状結腸軸捻転では内視鏡的整復が一般的。
症例 60歳代男性
上行結腸に全周性の壁肥厚を認めています。
3層構造ははっきりせず腫瘍を疑う所見です。
またその周囲にリンパ節を認めており、転移が疑われます。
腫瘍の口側の上行結腸〜盲腸に著明な拡張および便貯留を認めています。
上行結腸癌による大腸閉塞(結腸閉塞)を疑う所見です。
閉塞性腸炎とは?
- 大腸がんなどで大腸の機械的閉塞部位の口側の腸管に発生する非特異的炎症性の潰瘍性病変。
- 原因はほとんど大腸がん。
- CT所見は全周性の粘膜下層の肥厚を認め、虚血性腸炎や、他の結腸炎と紛らわしい。
虚血性腸炎を疑う場合もその肛門側に腫瘍が隠れていて、閉塞性腸炎の可能性もあるので、注意が必要です。