椎間板ヘルニアの画像診断

膨隆(bulging)とヘルニアの違い

  • 膨隆(bulging)は椎間板の突出が椎間板全周の50%を超えるもの。
    椎間板の突出1/4周=25%までをヘルニア、それ以上を膨隆という。と変更になった。

詳しくはこちら→【図と画像で解説】腰椎椎間板ヘルニアとは?膨隆との違いは?分類は?

  • ヘルニアは線維輪の断裂を伴う。後縦靭帯の断裂は伴う場合と伴わない場合がある。
膨隆

bulging

現在では椎間板の突出1/4周=25%以上、つまり90°以上の突出を膨隆という。(上の図は180°になってますが)

ヘルニア

hernia

椎間板ヘルニアの局在

椎間板ヘルニアの局在は以下のように分類されます。

  1. 後正中型 central type(15-20%) 正中型
  2. 後外側型 posterolateral type(70-80%) 傍正中型
  3. 椎間孔内外側型 intraforaminal type,lateral 椎間孔、外側型
  4. 椎間孔外外側型 extraforaminal type,far-lateral 椎間孔外型

hernia1

詳しくはこちら→【図と画像で解説】腰椎椎間板ヘルニアとは?膨隆との違いは?分類は?

椎間板ヘルニアによる神経根の圧迫

hernia2

内側から外側にかけて圧排される神経の関係は上のようになります。

L4/5の場合
  • L5→S1→S2→S3・・・の順に圧迫されていく。
  • L5のみの症状はありえるが、L5なく、S1のみの症状はあり得ない。
    hernia4hernia3
・椎間孔型・椎間孔外型:L4の圧排。
・正中型・傍正中型:L5の圧排。

 

動画で学ぶ腰椎ヘルニア

▶キー画像

スライド22 スライド23

腰椎か仙椎か。

①肋骨がつくのがTh12まで。その下がL1

②神経根が横に出るのがL5まで、S1からは下方に出る。

なので下に出ている神経根があればそこはL5/S1。

脊柱管狭窄の病因による分類

①先天性/発達性(congenital/developmental canal stenosis)

・軟骨無形成症、Morquio病など

②後天性狭窄(acquired canal stenosis)

・変形性(脊椎症性、変形性側彎症、椎間板ヘルニア)、脊椎すべり症性、術後性、外傷性、その他

脊柱管狭窄の部位による分類

・中心性狭窄:脊髄症や馬尾障害を来す事が多い。

・外側狭窄:外側陥凹狭窄、椎間孔狭窄に分けられる。

 症状との相関

・外側陥凹狭窄:馬尾神経の絞扼による異常感覚を特徴とする(馬尾型)

・椎間孔狭窄:神経根の圧迫に起因する疼痛が特徴的とする(神経根型)

※いずれも臨床的には間欠性破行を主体とした神経症状が見られる。

・椎間関節には脊髄神経後枝内側枝からの知覚神経が分布しており、椎間関節に負荷がかかると、これらの神経終末が刺激され、後枝由来の疼痛を生じる。

 神経根圧迫の主な原因

頸椎:椎体辺縁(鉤椎/Luschka関節) 神経根が神経孔内下部に位置するため。

腰椎:椎間関節(facet関節)骨棘 神経根が神経孔内上部に位置しているため。

 画像所見

①単純X線写真:頸椎では脊柱管前後径が12mm以下で相対的狭窄、10mm以下で絶対的狭窄である。胸腰椎では計測上の基準値は一般化していない。

②CT:脊柱管狭窄の原因となる骨棘形成、Luschka関節や椎間関節の変性、靭帯の骨化などの評価をする。

③MRI:椎間板の膨隆や靭帯の肥厚による硬膜嚢、脊髄、馬尾、神経根の圧迫の直接評価が可能。横断像では脊柱管の狭窄の程度、矢状断像は椎間孔狭窄の評価に有用である。

語句
  • 脊髄圧迫:spinal cord compression(+)
  • 脊柱管狭窄:canal stenosis(+)
  • 神経孔の狭小化:foraminal stenosis(+)

 

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