顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)と肺病変
- 微小血管の壊死性血管炎を基本とし、肉芽腫性炎症を伴わない(この点がGPAとは異なる)。
- 日本で最も多いANCA関連血管炎である。
- MPO-ANCA陽性率が高い。(日本では90%以上で陽性。)
- 発症年齢は50歳台に多く、発熱、全身倦怠感などを伴う。
- 腎病変(半月体形成性急速進行性腎炎)と肺病変(肺胞出血、あるいは間質性肺炎)を呈する。
- 間質性肺炎の経過中にANCAが陽性となり、その後、全身の血管炎の所見を呈する症例も見られる。
- 代表的な肺病変は、血管炎(capillaritis)に伴う肺胞出血と考えられる。
症例 60歳代女性 MPA
右上葉優位に両側広範なすりガラス影あり。一部で牽引性気管支拡張あり。
気管支鏡による肺胞洗浄で肺胞出血と診断された。
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参考文献:
- 新 胸部画像診断の勘ドコロ P286
- ビギナーのための胸部画像診断 P175-6