関節軟骨のMRI画像所見
- まず関節軟骨はMRIのシークエンスによって様々な信号を示す。
- T2WIでは低信号、T2*WI・脂肪抑制PDWI(プロトン密度強調像)では高信号を示す。
- T2WIでは周囲の脂肪組織や関節液とのコントラストが強く、厚みなどの関節軟骨の評価がしやすいため、T2WIを中心に観察し他のシークエンスでも確認する。
- T2*WI、脂肪抑制PDWI(プロトン密度強調像)では半月板と関節軟骨のコントラストが強いため両者を分離しやすいメリットがある。また、骨髄浮腫も検出できる。T2WIの場合はともに低信号で両者の分離は分かりにくい。
症例 40歳代男性
関節軟骨はT2WIで低信号、T2*WIでは高信号に描出されている。
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関節軟骨損傷のMRI画像診断
- T2WIを基本として低信号の関節軟骨と高信号の関節液のコントラストに着目し、関節軟骨の表面の不整、菲薄化、欠損、関節遊離体および関節液流入を評価する。
関節軟骨損傷の分類(Outerbridge分類)
- Grade0:正常
- Grade1:表面の膨化
- Grade2:浅い部分の亀裂や粗造化
- Grade3:軟骨厚み50%を越える亀裂や粗造化
- Grade4:全層病変(軟骨下骨まで及ぶ)