半月板嚢胞/半月板嚢腫(meniscal cyst)
- 半月板水平断裂に接して認める嚢胞で、断裂部より漏出した関節液と考えられている。
- 外側半月板が内側の3-4倍多く、特に前外側に頻度が高い。
- 内側半月板では後内側が多く、サイズが大きくなりやすく背側方向へ伸展することが多い。また内側側副靱帯周辺まで至ると鵞足包炎と鑑別が難しいことがある。
- 関節を屈曲すると腫瘤が小さくなる(disappearing sign)。
- perimeniscal recessと呼ばれる正常な関節腔の液貯留と鑑別が重要。こちれは半月板の下方に存在する。
- MRIでは断裂部に連続しているT1WI低信号〜中等度信号、T2WI高信号嚢胞として認める。内側では嚢胞がしばしば断裂した半月板と離れて存在することがあるが連続性を捉えることが重要。
症例 40歳代女性
外側半月板前節に水平断裂を認めており、それと連続する嚢胞性病変を認めています。
半月板嚢胞を疑う所見です。
症例 30歳代男性 スクリーニング
外側半月板の下方に連続する液貯留あり。
正常な関節腔であるperimeniscal recessに存在する生理的な関節液貯留であり、半月板嚢胞ではない。
参考文献:
- 骨軟部疾患の画像診断 第2版 P116-117
- 骨軟部画像診断のここが鑑別ポイント 改訂版 P100-101,111
- 画像診断 Vol.36 No.7 2016 P606-607