先に結論:第5中足骨基部骨折(下駄骨折とJones骨折)
- 第5中足骨基部骨折は、粗面の裂離骨折(下駄骨折・pseudo-Jones)と、それより少し先の近位骨幹部移行部の骨折(Jones骨折)に分けられ、前者がずっと多いです
- 基部(基底部)は第5中足骨のかかと側の端で、外側の出っ張りを粗面(茎状突起)と呼び、短腓骨筋腱が付きます
- 下駄骨折は足を内側にひねって短腓骨筋腱などに引っ張られて起こり、多くは簡単な固定で治ります
- Jones骨折は血流が乏しい部位の骨折で、治りにくいとされてきました。ただし急性のzone 2骨折は保存療法でも多くが癒合したとの報告があり(Pettersen 2022)、治りにくさが問題になるのは主に疲労骨折(zone 3)です。スポーツ選手では手術(髄内スクリュー)がよく行われます。骨折線の位置で区別することが大切です
- 子どもでは骨端核、大人でもVesalius骨などの副骨を骨折と間違えないよう、線の向きと辺縁の形を見ます
第5中足骨基部骨折
- 大まかに、粗面部の裂離骨折と近位骨幹端部骨折(Jones骨折)に分けられる。
- 前者の方が頻度は圧倒的に高い。よく用いられるLawrence & Botte分類では、粗面の裂離骨折をzone 1、Jones骨折をzone 2、より遠位の近位骨幹部疲労骨折をzone 3に分ける。834骨折の検討ではzone 1が61.2%、zone 2が18.8%、zone 3が20.0%で、94.4%が保存療法で治療され、骨癒合までの期間はzone 3がzone 1より有意に長かった。癒合しない(手術への切り替えや遅延癒合)のはzone 1で2.7%、zone 2で3.2%、zone 3で3.8%、再骨折はzone 3で8.9%だった(Pettersen 2022)。

第5中足骨基部骨折-粗面部裂離骨折
- 下駄骨折、ハイヒール骨折、ダンサー骨折、pseudo Jones骨折など呼称がある。
- 第5中足骨基部外側に突出している粗面を含み、立方骨との関節面や第4,5中足骨間関節に骨折が及んでいることが多い。
- 内反位で足をつき、短腓骨筋腱の付着部である第5中足骨粗面に牽引力がかかり、生じる裂離骨折。
- 一般的に簡易な固定で癒合するが、関節面に及んで大きく転位している場合は手術が必要。
第5中足骨基部骨折-近位骨幹端部骨折(Jones骨折)
- 一般に骨折線の内側は第4,5中足骨間関節に及ばない。
- 足を捻るなどの一度の外力による骨折と、繰り返す外力による疲労骨折があり、疲労骨折では骨折線は通常、外側が開大している。
- 骨折部の血流供給が乏しく、難治性で偽関節を形成しやすい骨折とされてきた。ただし前向き研究の総説では、急性のJones骨折(zone 2)は機能的治療でも良好に癒合し、治療失敗が多いのはzone 3の骨幹部疲労骨折だった(Polzer 2012)。
- 早期復帰が望まれるアスリートにおいては、積極的に髄内スクリュー固定法などの手術が行われる。

1)を参考に作図
下駄骨折とJones骨折の違い
| 下駄骨折 | Jones骨折 | |
|---|---|---|
| 場所 | 粗面(いちばん根元) | 粗面より少し先の骨幹端〜骨幹部 |
| 治りやすさ | 多くは良好に癒合 | 急性は保存でも多くが癒合、疲労骨折は治りにくい |
| 治療 | 保存療法が中心 | アスリートでは手術が多い |
骨折と間違えやすいもの
- 骨端核:子どもの粗面には骨の外側に沿う薄い骨端核があり、女児7歳・男児8歳ごろから骨化し、癒合開始は平均で女児10.09歳、男児12歳でした(Blythe 2026)。骨端核の線は長軸にほぼ平行で、骨折線は横向きのことが多い。
- Vesalius骨:基部近くの副骨で、頻度は0.6%とまれ(Osiowski 2025)。辺縁がなめらかな皮質で囲まれる。
実際の画像:粗面の裂離骨折・Jones骨折・骨端核・Vesalius骨

引用:Radiopaedia(Avulsion fracture of the fifth metatarsal base)
右足のX線正面像です。第5中足骨の基部(粗面)に、長軸に対して横向きの骨折線があります。骨折は粗面にとどまる裂離骨折(下駄骨折、zone 1)の位置です。

引用:Kim C et al. Clin Orthop Surg 2024(Figure 1)
保存療法で治療されたJones骨折の典型例です。(A〜C)受傷直後の正面・斜位・側面像、(D〜F)保存療法12週後の正面・斜位・側面像です。(出典:Kim C et al. Clin Orthop Surg 2024, Figure 1, CC BY-NC 4.0)

引用:Radiopaedia(Traction apophysitis of the fifth metatarsal base with an avulsion fracture)
骨端線が開いている子どもの足の斜位像です。第5中足骨基部の外側に、長軸に沿った細長い骨端核がみられます。骨端核の線は長軸にほぼ平行で、横向きの骨折線と見分ける手がかりになります。

引用:Petrova K et al. Acta Med Litu 2025(Figure 1)
症状のあるVesalius骨の2例のX線です((a)20歳男性、(b)43歳女性)。どちらも第5中足骨基部の近位に、皮質で囲まれた辺縁がなめらかで丸い小骨がみられます。(出典:Petrova K et al. Acta Med Litu 2025, Figure 1, CC BY 4.0)
第5中足骨基部骨折の画像の見方
どこを見るか
- 骨折線の位置:粗面の中(zone 1)か、第4・第5中足骨間の関節の高さ(zone 2)か、それより遠位の骨幹部(zone 3)かを見ます。第4・第5中足骨間の関節の遠位端を越えない骨幹端の骨折は機能的治療、関節の遠位端の高さかすぐ遠位の骨折は早期の髄内スクリュー固定、と2つに分ける考え方も示されています(Polzer 2012)。
- 関節面:粗面の骨折が立方骨との関節面に及んでいるか、転位の大きさを確認します。
- 疲労骨折の手がかり:疲労骨折では、はっきりした骨折線が出る前に線状の骨硬化や骨膜反応がX線でみられることがあります(Matcuk 2016)。以前から痛みがあった場合は疲労骨折を考えます(→疲労骨折のレントゲン・MRI画像所見)。
見逃しやすい点
- 足関節のX線にだけ写る骨折:足首をひねったときの足関節のX線の端に、第5中足骨基部の骨折が写っていることがあります。足関節の写真でも、写っている範囲の足の骨を最後まで確認します。
- 骨端核・副骨との区別:上の画像のように、骨端核は長軸にほぼ平行、Vesalius骨は丸く皮質で囲まれる、という違いがあります(Blythe 2026, Osiowski 2025)(→過剰骨(副骨)とは、子どもの骨で「骨折?」と言われやすい正常)。
MRIが必要になる場面
- MRI:疲労骨折の評価は、まずX線、必要ならMRIの順とされ、MRIは感度が高く、骨膜の浮腫から骨髄・皮質内の信号変化までをとらえます(Matcuk 2016)(→疲労骨折とは?MRIで白く見える理由)。
第5中足骨基部骨折でよくある疑問(Q&A)
Q. 下駄骨折はギプスが必要ですか?
A. 粗面の裂離骨折(zone 1)は、粉砕や転位、関節内への骨折線があっても機能的治療で良好に治るとされ、短下肢ギプスでは元の活動への復帰が遅れたと報告されています(Polzer 2012)。治療法は診察した医師と相談してください。
Q. Jones骨折は手術しないと治りませんか?
A. いいえ。急性のJones骨折69例の検討では、保存療法と手術のどちらでも治療されており、それぞれに有利な点がありました(Kim 2024)。スポーツへの早い復帰を望む場合や、疲労骨折で治りにくい場合に手術がよく選ばれます(Polzer 2012)。
足の外側の付け根が痛む・腫れる場合は、整形外科を受診してください。
関連記事:第1中手骨基部骨折(母指関節中手骨骨折)と画像所見のポイント
あわせて読みたい:リスフラン関節脱臼骨折 / 外果骨折(腓骨遠位端骨折) / フライバーグ病(第2中足骨頭の骨壊死) / 子どもの足の痛みと画像検査
参考文献:
- 骨折の画像診断 P244-246
- 荻原 翔, 小橋 由紋子, 福田 国彦. 骨折. 画像診断 40(8):821-830, 2020(本記事の参照: P825-826)
- 骨折ハンター P295-298
- Lawrence SJ, Botte MJ. Jones’ fractures and related fractures of the proximal fifth metatarsal. Foot Ankle. 1993;14(6):358-65. PubMed
- Polzer H, Polzer S, Mutschler W, et al. Acute fractures to the proximal fifth metatarsal bone: development of classification and treatment recommendations based on the current evidence. Injury. 2012;43(10):1626-32. PubMed
- Pettersen PM, Radojicic N, Grün W, et al. Proximal Fifth Metatarsal Fractures: A Retrospective Study of 834 Fractures With a Minimum Follow-up of 5 Years. Foot Ankle Int. 2022;43(5):602-608. PubMed
- Blythe CS, Robertson AP, Gregory LS. Investigating the Ossification and Fusion of the Fifth Metatarsal Apophysis Using Computed Tomography and Plain Radiography. Foot Ankle Int. 2026;47(3):370-377. PubMed
- Osiowski A, Preinl M, Osiowski M, et al. The prevalence and clinical considerations of Os Vesalianum Pedis: A meta-analysis. Foot Ankle Surg. 2025;31(7):612-618. PubMed
- Matcuk GR Jr, Mahanty SR, Skalski MR, et al. Stress fractures: pathophysiology, clinical presentation, imaging features, and treatment options. Emerg Radiol. 2016;23(4):365-75. PubMed
- Kim C, Shin DY, Kim J. Is Surgical Treatment Necessary for the Treatment of a Jones Fracture?: A Retrospective Study. Clin Orthop Surg. 2024;16(2):335-341. PubMed
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