先に結論:頭部CTのびまん性の皮膚肥厚
- 頭部CTで頭皮全体が厚いときは、アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎などを考えます(アトピーでは耳介の肥厚・石灰化も伴うことがあります)
- 頭皮が脳のしわのように波打って厚いときは脳回状頭皮(cutis verticis gyrata)で、肥厚性皮膚骨膜症などで見られます
- 脳回状頭皮は先端巨大症・神経線維腫症・頭皮の腫瘍や炎症などでも起こるため、全身の病気も確認します
びまん性皮膚肥厚
頭部CTでびまん性に皮膚の肥厚を見た場合、
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
などを考える。
※アトピー性皮膚炎の場合、耳介への叩打によって耳介血腫や慢性炎症により両側耳介の肥厚や石灰化を認めることがあるのでその点にも着目する。
皮下組織の波打つような肥厚
皮下組織の波打つような肥厚を見た場合は、
- 肥厚性皮膚骨膜症(pachydermoperiostosis)による脳回様頭皮(cutis verticis gyrata)
などを考える。
これは男性では特発性が多いが、
- 頭皮の炎症性・腫瘍性疾患
- 神経線維腫症
- 先端巨大症
- 梅毒
- 粘液水腫
- Ehlers-Danlos症候群
- アミロイドーシス
などでも見られる。脳回状頭皮は、ほかに異常を伴わない原発性本態性、神経・精神疾患を伴う原発性非本態性、炎症・腫瘍・代謝性疾患や薬剤による続発性に分けられる。先端巨大症に伴うものは成長ホルモン・IGF-1の作用によるとされ、まれだが男性に多い傾向がある。
症例 40歳代男性 頭皮に触れる痛みのないしわ

引用:Radiopaedia(Cutis verticis gyrata)
頭頂部レベルの単純CTで、頭皮が厚くなり、脳回のように波打つ凹凸を示しています(矢印)。症例報告では、その下の頭蓋骨にもわずかな溝状の変化があるとされています。
肥厚性皮膚骨膜症(pachydermoperiostosis)とは
- ばち指・皮膚の肥厚(脳回状頭皮を含む)・骨膜の肥厚を特徴とする遺伝性の病気で、HPGDまたはSLCO2A1遺伝子の変異でプロスタグランジンE2が分解されにくくなることが原因とされます(Lu 2023)。
- 頭皮の波打つ肥厚を見たら、ばち指や手足の骨の骨膜肥厚がないかを確認すると手がかりになります。
Q. 頭皮が波打つのは病気ですか?
A. 脳回状頭皮といい、ほかに異常のない原発性のこともありますが、先端巨大症などの全身の病気が隠れていることもあります。
頭皮のしわや厚みなど気になる症状があれば、皮膚科などの医療機関で相談してください。
関連記事:頭部CTで両側耳介の肥厚や石灰化を見た場合に考えるべき疾患
あわせて読みたい:頭部CTの皮膚・皮下の異常所見の鑑別
参考文献:画像診断 Vol.37 No.13 2017 P1289-1290,1337
- Rallo MS, Nosko M, Agag RL, et al. Neurosurgical and Scalp Reconstructive Challenges During Craniotomy in the Setting of Cutis Verticis Gyrata. World Neurosurg. 2019;125:392-397. PubMed
- Roque J, Marques P. Acromegaly-related cutis verticis gyrata. Growth Horm IGF Res. 2022;66:101497. PubMed
- Lu Q, Xu Y, Zhang Z, et al. Primary hypertrophic osteoarthropathy: genetics, clinical features and management. Front Endocrinol (Lausanne). 2023;14:1235040. PubMed
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