頭部CTで骨折線と紛らわしい縫合線に、後頭乳突縫合(occopitomastoid suture)があります。
左右対称であり、見慣れれば骨折線でないことは、すぐに分かるのですが、見慣れていない場合骨折線としてしまうかもしれません。
そのCT画像をチェックしてみましょう。
症例40歳代男性 頭部打撲
後頭骨右側に骨折線を認めています。
その外側にも骨折線のような線を認めていますが、こちらは左右対称に認めています。
こちらは縫合線で、後頭骨tと側頭骨乳突部の間の縫合線で後頭乳突縫合と呼ばれるものです。
これは骨折線ではありませんので注意しましょう。
3D再構成画像で今回の骨折と、後頭乳突縫合を確認してみましょう。
右の後頭部を後から観察した画像となります。
すると、少しギザギザとした形状の後頭乳突縫合の内側にシャープな骨折線を認めていることがわかります。
後頭乳突縫合は横断像の1スライスだけ見るとあたかも骨折線のようにシャープな場合がありますので、これを骨折としないように注意が必要です。
参考:画像診断 Vol.41 No.11 増刊号 2021 P47
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