肝肉芽腫症と肝サルコイドーシス
- 肝肉芽腫症は、肝内に肉芽腫を形成する疾患の総称。
- 結核菌、寄生虫、真菌などの感染や薬剤性、サルコイドーシスなどの全身性疾患が原因となる。肝固有のものとしては原発性胆汁性胆管炎(PBC)などがある。
- 肝サルコイドーシスの肉芽腫は、一般的に肝小葉辺縁から門脈周囲に発生する。
- サルコイドーシスのうち病理学的には70~80% で肝病変が見られる。
肝サルコイドーシスの画像所見
- 大半のmicroscopic lesionsは画像では描出されないが、癒合して一定の大きさになると画像において結節として認識できるようになる。
- その際、高率に脾臓に同様の結節性病変を認める。肝臓と脾臓に病変がある際には脾臓病変の方がサイズが大きい傾向にある。
- 描出される肝結節は単発から多数までさまざま。
- CTでは肝腫大と肝内に多発する造影効果に乏しい低吸収域として認めることが多い。
- MRIではT1WIで等〜低信号、T2WIでさまざまな信号パターンを呈する。T2WIでの低信号は線維化を反映、高信号は炎症によるリンパ球浸潤、浮腫などを反映するとされる。
- FDG-PETでは集積を示すので悪性リンパ腫をはじめとした他の悪性腫瘍との鑑別に注意が必要。
- 肝外所見として、脾腫、脾内低吸収域、リンパ節腫大を認めることがある。
- 鑑別としては、肝転移、胆管癌、悪性リンパ腫など。
参考:
- 肝胆膵の画像診断 P210
- 肝の画像診断(第2版) P178