腹部CTで偶発的に見つかる腸間膜脂肪織濃度上昇があります。

腹痛などの腹部症状を伴っている場合は、腸間膜脂肪織炎の可能性がありますが、無症状の場合は有意ではない非特異的腸間膜脂肪織濃度上昇であることがあります。

腸間膜にまるで霧がかかったように見えることから、misty mesenteryと呼ばれます。

腸間膜脂肪織炎とmisty mesenteryの鑑別方法

腸間膜脂肪織炎なのか、misty mesenteryなのかの鑑別には、症状の有無の他に、過去画像との比較も重要です。

過去画像と変化がなく、症状がない場合は、より非特異的なmisty mesenteryといえます。

一方で症状がある腸間膜脂肪織炎の場合は、加療により腸間膜脂肪織濃度上昇が消えることがあります。

ですので画像によるフォローが重要となります。

症例40歳代 男性 無症状、スクリーニング

小腸間膜に脂肪織濃度上昇を認め、扁平な小リンパ節を複数認めていますが、無症状であり、misty mesenteryを疑う所見です。

フォローのCTでも変化を認めませんでした(非提示)。

腸間膜全体に脂肪織濃度上昇を認める場合は?

腸間膜全体に脂肪織濃度上昇を認める場合は、SLE肝硬変で認めることがあります。

門脈圧亢進における浮腫は腸間膜→大網→後腹膜の順番で進展していく点に注意が必要です。

その他の鑑別は?

腸間膜の脂肪織濃度上昇に加えてリンパ節腫大を認めている場合は、腸間膜脂肪織炎、misty mesenteryのほかに悪性リンパ腫の可能性を考える必要があります。

この場合は、同時に認める他部位のリンパ節腫大や腫瘤の形成が診断の手がかりとなります。

 

参考文献:画像診断 Vol.41 No.4 増刊号 2021 P161-163

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