MRIにおけるT2強調像とその意義とは?

T2強調像で高信号であったり低信号であったりした場合、どのようなことを考えなければならないのか、
ということについてみていきたいと思います。

T2強調像の特徴には以下のものがあります。

病変部位を見つけることができる

病変というのは、基本的に浮腫をきたします。
浮腫をきたしたものはT2強調像で高信号になりますので、T2強調像で高信号になったところというのは、何か病変があるのではないかということを推測するきっかけとなります。

臓器の内部構造を捉えることができる

T1強調像は臓器の全体像でしたが、T2強調像では内部構造を捉えることができます。
とくに腺
構造、前立腺とか子宮、あるいは膀胱などの腺構造を捉える時にT2強調像が非常に役に立ちます。

頭部ではT1、T2が両方とも層構造というよりは、そういった意味では内部構造を捉えることができませんが、他の部位では内部構造を捉えることができるといった特徴があります。

信号パターンから正体を探ることができる

T1強調像との組み合わせも大事ですが、T2強調像で高信号なのか低信号なのかによってどういったものがあるのかを考えることができます。

T2強調像で高信号を認めた場合、何か病変があるのではないかということで、浮腫や炎症をきたしていないか、嚢胞がないかや液体貯留などを疑うことになります。

一方で低信号の場合、頭部ではあまり出てきませんが筋肉由来のもの(腎臓の血管筋脂肪腫(AML)で脂肪が少ないもの)や線維成分に富むもの(卵巣の線維種)などが考えられます。

頭部では、主に血腫(時期にもよる)で低信号になります。
また、ヘモジデリンのような特定の沈着物によっても低信号になります。

重要ポイントをまとめると、

  • T2強調像で高信号→浮腫、炎症、嚢胞、液貯留などを疑う
  • T2強調像で低信号
    ・筋肉由来
    ・線維成分に富む
    血腫
    ・特定の沈着物(ヘモジデリン、アミロイド、メラニンなど)

ということになります。

では、ここから具体例を見ていきましょう。

症例 70歳代男性、スクリーニング

T1WIとその意義

左の前頭部のところに脳脊髄液と同じような高信号で、少し頭蓋骨を圧排するような所見を認めています。
これは「くも膜嚢胞」であるということが分かります。

このように嚢胞性病変というのはT2強調像で脳脊髄液と同じように高信号になっているという点から、嚢胞ではないかというように推測することができます。

症例 50歳代男性、肺癌

T2WIとその意義

右の大脳半球の皮質下から深部白質にかけて非常に著明な高信号を認めています。
左右差を見れば明らかですね。
右側だけ異常な高信号を認めていることから、脳転移があって浮腫性変化があるのではないかと推測されます。

T2WIとその意義

おそらく矢印で示した部分に腫瘍があり、この周りに浮腫性変化を認めていることが推測されます。
T2強調像では、このように腫瘍があって周囲の浮腫性変化が著明であることも捉えることができます。

一方で、T2強調像は脳内出血において低信号になります。
脳内出血は以下のよう経時的に変化します。

T1WI T2WI 脳出血 継時的変化 

急性期(1〜3日)ではデオキシHbを反映して著明な低信号になります。
また慢性期においても、周辺にヘモジデリンが沈着するためリング状に低信号になります。

すなわち、T2強調像において低信号をみれば、時期がある程度分かるということになります。

症例 70歳代男性

右の小脳半球に著明なリング状の低信号があります。
内部まで低信号になっています。
こういった所見を見れば、急性期の脳出血であることが推測されます。

小脳出血と診断された3日後に、CTが撮影されました。

右小脳に高吸収の血腫があることが分かります。
ですので、先ほどのMRIは出血を反映していて、なおかつ時期でいうと急性期(1〜3日)を反映しているということが推測されます。

症例 50歳代男性

左の被殻にスリット状の高信号、周りに低信号の縁取りを認めています。

こういった所見の時に考えなければならないのは、出血は出血でも慢性期にあたり、周囲にヘモジデリンが沈着していて低信号を示していることを推測しないといけません。

発症前のCTがあるので、見てみましょう。

半年前のCTになります。
たしかに、左の被殻に高吸収の血腫を認めています。
これが半年後には収縮していって、先ほどのような辺縁にrimを伴うような低信号をT2強調像で認めているということができます。

まとめ

T2強調像の意義ということで、主に脳のところで出てくるT2強調像で高信号、低信号の場合について解説しました。

たとえば、今回のように腫瘍があって占拠性病変があって、周りに浮腫性変化を認めている際は高信号になります。
腫瘍自体は分からないこともありますが、浮腫性変化からこれは腫瘍があるのではないかというように疑うこともできます。

また、嚢胞性病変や液体貯留でも高信号を示し、くも膜嚢胞がある場合では脳脊髄液と同じように高信号となっているので、このような点から嚢胞や液体貯留があるのではないかと疑うことができます。

一方で、T2強調像で低信号な場合は血腫を考えます。
血腫は時期によって異なり、急性期の場合に非常に著明な低信号になるということが分かります。

慢性期の出血の場合は周辺にヘモジデリンを伴うので、今回の症例のような被殻にスリット状の低信号を認めた場合というのは、陳旧性の脳出血ではないかと疑うことができます。

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