動脈管開存(patent ductus arteriosus)とは?

  • 動脈管は肺動脈と大動脈を結ぶ血管構造であり、胎生期の循環には必須。
  • 通常は出生後48時間以内に自然閉鎖するが、それが残ったものを動脈管開存という。
  • 成人期に偶然発見されたり、成人期に症状が出ることがある。
  • 大動脈→肺動脈へとシャントが起こる。
  • 症状がある場合や無症状であってもシャント量が多い場合は動脈管閉鎖術の適応となる。

動脈管開存のCT画像所見は?

  • 造影CTで大動脈と肺動脈を繋ぐ動脈管を確認し、内部に造影効果があることを確認する。
  • ただし、動脈管は生理的石灰化を認めることがあるので、造影CTのみではなく単純CTでも評価するのが望ましい。
    *動脈管の生理的石灰化の頻度:大動脈に動脈硬化性石灰化あり→65%、なし→21%程度に認める1)
症例 60歳代女性 労作時呼吸困難

胸部CT angiographyの横断像です。

大動脈から突出する血管構造を認めています。より下のスライスで肺動脈と連続しています。

動脈管開存の所見です。

動脈管開存の様子がよくわかる再構成画像です。

3DCTにおいて動脈管の様子がよくわかります。

この症例の動脈管のつながりの様子を動画でチェックする。

 

症例 10歳代女性  異物誤飲の精査

大動脈と肺動脈の間に石灰化を有する構造物あり。

動脈管の生理的な石灰化を疑う所見。

なおこの症例の場合、大動脈に動脈硬化性石灰化を認めない。

参考文献:
1)J Comput Assist Tomogr 20:34-37,1996

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