ガーゼオーマとは?
- gauseoma、gossypiboma、retained surgical sponge、foreign body granulomaとも呼ばれる。
- 手術の際に使用されたガーゼやタオルが体の中に遺残することによって発生する医原性の疾患。
- 嚢胞性・充実性ガーゼオーマの2つに大別される。
- 充実性は、感染を引き起こし、術後急速に増大するため、痛みや炎症症状で早期に発見されることが多い。
- 一方、嚢胞性は無菌性膿瘍や肉芽腫を形成し、症状がないことが多いため、長時間経過してから発見されることが多い。
- また、器質化に伴い腸管や腸間膜と癒着して、イレウスや消化管穿孔を起こす事もある。
ガーゼオーマの画像所見は?
- 内部の血性や膿性を反映してCTでは不均一な低吸収域を呈する。
- 内部にガーゼの線維や網目に空気がトラップされて、車軸状に配列したwhirl-like spongiform patternを示したり、腫瘍内部に折りたたんだ布の所見が見られることがある。
- ただし、器質化した組織の増殖が著明なものは特徴的なCT画像を示さない。
- MRIでは、T2強調像で高信号、T1強調像は様々。CT同様にwhirl-like spongiform pattern、folded fabric appearance1)は特異的。
- CT、MRIにおいて肥厚した壁に造影効果を認めることや、多血性主流となることがあるため、悪性腫瘍との鑑別が問題となることがある。
症例 80歳代男性
左上腹部に辺縁に一部石灰化を有し、内部は不均一な低吸収の腫瘤あり。
ガーゼオーマとしてフォローされている。
症例 70歳代女性 胆嚢摘出後
右腎臓腹側に、高吸収と低吸収の層状構造を示す腫瘤あり。
腫瘤の辺縁にはairあり。
ガーゼオーマとしてフォローされている。
参考文献)
1)Clin Radiol 46:66-67,1992
画像診断のティーチングファイル229 P228
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