円板状半月板(discoid meniscus)とは?
- 半月板が厚く幅広い円板の形をしたもの。胎生期に中央部が吸収されずに遺残することによる。
- 東洋人に多い。
- 頻度は3-7%の人に見られる。
- ほとんどは外側半月板で生じやすい。両側性が多い。
- なぜこれがあるのが問題になるのか?→あると半月板の変性や断裂を生じやすい(50倍!)から。結果、膝の痛みやlockingの原因となる。
- 小児期に全く症状がなく、成人で症状が出てくることもある。
- 断裂は水平断裂が多い。
- 10歳未満で膝内障がある場合、円板状半月板断裂のことがあるので鑑別に入れる。
円板状半月板の分類(Watabaneの分類)は?
- 完全型(discoid):脛骨顆部関節面を完全に覆う。
- 不完全型(semi-discoid):脛骨顆部関節面を不完全に覆う。
- Wrisberg型:半月板後部が関節包へ付着せずWrisberg靭帯により大腿骨に付着する。非常に稀。
円板状半月板の画像診断は?
単純レントゲン
- 膝関節の外側部の関節裂隙が広い。
- 脛骨関節面の陥凹。
- 大腿骨外側顆の低形成。
MRI所見
- 矢状断像の連続する多スライス(5mmスライスで3スライス以上(正常は2スライス))で、蝶ネクタイの形をした厚い半月板を認める。※半月板中節の幅は正常10-11mmであるため。
- 冠状断像で外側半月板の中央部が顆間窩まで延長して認められる。
- 断裂や変性は他の半月板損傷〜断裂と同様だが、関節面に達していなくても症状をきたし得るので注意。
症例 40歳代女性
脛骨顆部関節面までを外側半月板が描出されている。
円板状半月板を疑う所見。
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