Bertin柱の肥厚(hypertrophic column of Bertin/prominent column of Bertin)
- 腎柱(column of Bertin)の過形成。Bertinはベルタンと読む。ベルタン腎柱とも呼ばれる。
- 発生の過程で隣接する腎錐体の間に腎皮質が入り込むことによる。Bertin柱は腎の髄質と髄質の間の皮質のこと。
- 画像上、腎洞内への皮質の突出として認められる。腎の偽腫瘍で最多。
- 大部分が中部から上極寄りに認められる。
- 重複腎盂(二分腎盂)に伴って見られることがある。
- 臨床的意義はないとされる。
- 超音波検査で腫瘤と誤認されやすい。
- 他に腎腫瘍と紛らわしいものに、胎児性分葉がある。腎は多数の小葉構造が融合することにより形成されが、胎児では分葉傾向が目立つ。成人においても目立つ場合は、胎児性分葉と呼ばれる。両側に認める。
Bertin柱の肥厚の画像所見
- 皮質と連続性があり、周囲と変化がないこと、輪郭が平滑で半球状であることなどから腫瘍と鑑別する。
- また造影CTにおいて、周囲の腎実質と同様の造影効果を示す。
- 腎シンチで、同部位には周囲腎実質同様の取り込みを認める。
症例 50歳代
引用:radiopedia
肥大したベルタン柱を認め、いずれの相においても正常な腎実質と同じように造影されている。
単純CTで腎腫瘤様に見える正常変異
- Bertin柱の肥厚(prominent column of Bertin):腎皮質のみの腎洞部への突出。
- 腎葉異型(renal lobar dysmorphism):腎皮質と髄質とかなる腎葉が腎実質深部に認める異型。
- ヒトコブラクダのこぶ様変形(dromedary hump):脾臓による左腎の変形
の3つが重要。
症例 40歳代男性
引用:radiopedia
脾臓により左腎が圧排され変形しています。
ヒトコブラクダのこぶ様変形(dromedary hump)です。