デスモイド型線維腫症(類腱腫,desmoid)
・線維腫症(fibromatosis)は上のように、表在性と深部性に分けられ、デスモイドは深部型に相当する。
・さらにデスモイドは、腹壁デスモイド、腹壁外デスモイド、腹腔内デスモイドの3つに分類される。腹腔内デスモイドはさらに腸間膜デスモイドと骨盤内デスモイドに分けられる。
・100万人に3例程度。
・病理学的には分化した線維芽細胞と豊富な膠原線維からなる。
・原因は不明。術後、外傷後、妊娠との関連などが言われている。
・下肢、臀部、肩などが好発部位。
・良性軟部腫瘍ではあるが、発育が急速で、浸潤性が強い傾向にある。
・Gardner症候群はデスモイド腫瘍+骨腫瘍+腸管ポリポーシスを伴う。
・家族性大腸性ポリポーシスに合併することがあり、多くは開腹術後に発生する。
・治療は外科的切除。局所再発することが多く6-8割。
・外科的切除以外には、ステロイド、NSAID、抗がん剤、抗エストロゲン剤、放射線治療の報告あり。
デスモイド型線維腫症の画像所見
・CTでほぼ均一な充実性腫瘤。造影効果は軽度。
・MRIにてT2WIにて高信号(線維芽細胞が密、血管新生が豊富)と低信号(膠原線維が多いところ)の混在が認められる。また粘液変性を伴うことがある。高信号部位を中心に造影効果を示す。T1WIでは低信号を示す。
・GISTとの鑑別は画像のみでの診断は難しいことが多い。