急性心筋梗塞のMRI画像診断
冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン(JCS2009)によると、造影MRIは、
- 安定狭心症による心筋虚血の検出についてはレベルB
- 血行再建前の遅延造影MRIによる心筋バイアビリティ評価はレベルB
としている。
- 遅延造影MRIは心筋の組織学的な梗塞領域と高い相関関係があり、高い空間分解能とコントラストを持って、内膜下梗塞であっても描出することが可能。
※ちなみに核医学では右室梗塞や内膜下梗塞は評価しにくいところ。
- 遅延造形MRIにおける梗塞の有無は将来の心臓死や重大な心事故の発生と密接な相関を有し、予後予測とリスク層別化に役立つと報告あり。
- 急性期心筋梗塞であっても、陳旧性の心筋梗塞であっても、高信号領域=造影効果を有する部位として描出する。
- 一方で、T2WIにおける高信号は、心筋浮腫を反映し、実際の梗塞領域よりも広い範囲におよび、また急性期の心筋梗塞のみ高信号となる。
- 無症候性の心筋梗塞にも造影MRIは有用。糖尿病患者の約3割に無症候性心筋梗塞あり。そのためハイリスク群ではスクリーニングにも遅延造影MRIを使うこともできる。
参考記事)心臓MRIの遅延造影とは?