網嚢(omental bursa)
・胃の後方に位置する空間で、腹膜腔と連続している。
・入口は、網嚢孔(epiploic foramen,Winslow’s foramen)と呼ばれ、肝十二指腸靭帯(小網)の背側に位置する。
・腹腔内なので、消化管穿孔の際にfree airが存在したり、腹水や、血腫が限局的に存在することがあるので、注意が必要。
・同部位にヘルニア(内ヘルニア)を生じることがあり、Winslow孔ヘルニアと呼ばれる。
・シェーマで表すと横断像のCTでは、胃の背側に網嚢は存在する。
・冠状断像で腹膜腔を見ると次のようになる。
このうち網嚢にフォーカスを当ててみると、次のようになる。
入り口がWinslow孔で、上方に網嚢内側上陥凹、外側に網嚢外側部が存在するのがよくわかる。また、冠状断像で見ると、網嚢の形は「いいね」のマークに似ている。
Winslow孔が手首、網嚢内側上陥凹が親指、網嚢外側部が握りこぶしに相当する。
症例 70歳代女性 特発性網嚢内血腫
横断像においても、矢状断像においても、胃の背側の網嚢内に高吸収血腫があることがわかる。経過観察にて血腫は消失。原因はわからず、特発性網嚢内血腫。
70歳代女性の特発性網嚢内血腫の症例ですが、症例報告などされているでしょうか。
もしされているようであれば、発表された学会の会議録や、掲載されている雑誌などの情報を教えていただきたいのですが。
山西先生
コメントありがとうございます。
症例報告などはしていないです。自施設での症例です。よろしくお願いします。
先ほど、文献情報の問い合わせした者です。
何のご挨拶もせず、依頼内容のみを送ってしまい、失礼しました。
長崎県で内科勤務医をしている者です。
つい最近、似たような症例を経験したので、文献を探しているところで、このサイトの症例をみつけたので、問い合わせをいたしました。
よろしくお願いいたします。