目次
肥大性骨関節症(Hypertrophic osteoarthropathy)
・指骨や中節骨に多発性に骨膜反応をきたす疾患で、最多。
・ばち指・関節痛・骨膜炎を三徴とする。
・骨膜反応は四肢長管骨の骨幹に生じ、手指に起こることは少ない。
・肺癌患者で最もよく見られるが、気管支拡張症、消化管疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、肝疾患などの他の多くの疾患でも報告あり。
・肺癌患者の0.2-0.7%に見られる。進行度の高い肺癌に多い。
・肺腫瘍摘出や放射線治療により疼痛が消失することあり。
・原因は不明だが、成長ホルモンとの関連が疑われている。
・骨シンチで長管骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、Linear cortical sign、Pericortical signと呼ばれる。この所見は肥大性骨関節症のほか、GSH産生肺癌でも見られる。
手足の多発性骨膜反応の鑑別
- 肥大性骨関節症
- 皮膚骨膜肥厚症(pachydermoperiostosis)
- 甲状腺性肢端症(thyroid acropathy)
- 静脈うっ血
- 外傷
症例 50歳代男性 肺癌
骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、肥大性骨関節症を疑う所見。
症例 60 歳代の女性。健診の胸部 X 線撮影にて異常を指摘
2014年放射線科診断専門医試験問題74より引用。
骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、肥大性骨関節症を疑う所見。胸部レントゲンの異常陰影は肺がんを示唆するエピソード。
症例 70歳代男性、膝周囲の痛み。
(2008年放射線科診断専門医試験問題9より引用)
両側の大腿骨に、膝蓋骨、脛骨に皮質を中心としたびまん性の集積あり。肥大性骨関節症を疑う所見。
症例 60 歳代女性。肺癌。
大腿骨などの長管骨で対称性に皮質の集積を認め(double stripe sign)、肥大性骨関節症を疑う所見。
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