副甲状腺シンチ
- 原発性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺病変の局在診断には、主に超音波検査と99mTc-MIBIシンチグラフィが用いられる。
- 原発性副甲状腺機能亢進症において、単発腺腫の診断の感度は、超音波が72-89%、SPECTを用いた99mTc-MIBIシンチグラフィが68-95%と報告されている。
- 副甲状腺シンチグラフィには、99mTc-hexakis-2-methoxy-2-methylpropyl-isonitrile(MIBI)が用いられる。
- 99mTc-MIBI はミトコンドリアに集積する薬剤で、Tlと同様に心筋用に開発されたが、副甲状腺腺腫に対しても保険適応となった。
- MIBI(10-20mCi(370-740MBq))を静脈内投与後5-10分後の早期相(early)と、2-3時間後の遅延相(delay)の撮影がされる。
- 過機能副甲状腺の検出が目的。
- 早期相では、MIBIは甲状腺にも集積を認めるが、甲状腺はwashoutが副甲状腺よりも早いため、遅延相では、過機能副甲状腺のみが描出(集積が残存する)される。
- 特に、縦隔などの異所性の副甲状腺機能亢進を示す副甲状腺に対しては、全身を見ることができるシンチグラフィが優れる。
- 原発性副甲状腺機能亢進症の多くは1腺の腺腫であるが、続発性(二次性)の場合は、複数の腺に過形成が見られる。
症例 正常例
delayで副甲状腺に集積の残存はない。
正常例です。
症例 50代男性 副甲状腺機能亢進症
MIBIシンチ
症例 50歳代女性 副甲状腺機能亢進あり。
MIBIシンチのSPECT画像です。
甲状腺左葉上極に集積あり。副甲状腺腫を疑う所見です。