Caroli病(Caroli disease)
- 肝内胆管系が非閉塞性の嚢状拡張をきたす代表的な疾患。
- 常染色体劣性遺伝。
- 多くは成人発症、時に新生児や乳児発症あり。
- 単純型と肝線維症型に分類される。
- 単純型は中枢側の胆管奇形で末梢胆管は正常。
- 肝線維症型は中枢も末梢も胆管奇形が見られる。のちに肝線維症となる。
- 肝内胆管の嚢状拡張、多数の肝内結石および腎嚢胞性疾患を伴う。
- 症状は単純型の場合、右季肋部痛、胆管炎、発熱、黄疸。肝線維症型は痛みや肝脾腫。
- 単純型は再燃性胆管炎、肝膿瘍。肝線維症型は肝硬変。
- 7%に胆管癌の合併あり。
胆管の嚢胞性病変の分類
- Ⅰ型:肝外胆管の紡錘状の拡張
- Ⅱ型:肝外胆管より嚢状に突出する憩室
- Ⅲ型:choledochocele(十二指腸内総胆管嚢腫):(総胆管遠位部の拡張)
- Ⅳ型:肝内,肝外胆管の拡張が多発。
- V型:Caroli病(肝内胆管の嚢状の拡張,肝外胆管は正常)
Caroli病の画像所見
- 末梢の肝内胆管が球状に拡張するのが特徴。
- 嚢状に拡張した肝内胆管がUSにて無エコーとして認められる。
- CTにて低濃度、MRIのT1強調像にて低信号、T2強調像にて高信号域として描出される。周辺部の胆管拡張が認められないのが特徴。
- 造影にて内部に門脈枝が点状(central dot sign)および索状に描出される
- 参考)peribiliary cystはperibiliary glandsの嚢胞状拡張であり、胆道造影では造影されないことより鑑別される。
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