膿胸関連悪性リンパ腫(pyothorax associated lymphoma:PAL)
- 慢性膿胸壁に発生する大型B細胞性リンパ腫。
- 慢性結核性膿胸、結核性胸膜炎や人工気胸治療を受けた例に報告が多い。
- 結核性膿胸の場合罹患歴20年以上で多いとされる。
- 慢性膿胸患者の2.2%にPALを合併する。
- EBウイルス感染が関連していると考えられている。腫瘍細胞内の陽性率は70~85%程度。
- 病理学的にはびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫(DLBCL)である。
- 症状は、胸痛、肩の痛みがほぼ必発とされる。
- 膿胸に合併する悪性腫瘍としては、他に、悪性中皮腫、肺癌、血管肉腫、悪性線維性組織球腫、脂肪肉腫などの報告あり。
画像所見
- 主に膿胸腔内あるいは接する胸壁や肺実質に腫瘤を形成する。
- 腫瘍には造影剤による増強効果があるが、内部構造は壊死を反映して不均一。
- PETやGaシンチグラフィによる集積の有無が良悪の鑑別に有用なことあり。ただし、膿胸の再燃と鑑別困難な場合もある。
膿胸関連疾患といえば
- 膿胸関連悪性リンパ腫
- 慢性膨張型血腫(CEH:Chronic expanding hematoma)
の2つ。
慢性結核性膿胸に発生しうる悪性腫瘍
- 悪性リンパ腫(非Hodgkinリンパ腫)
- 扁平上皮癌
- 悪性中皮腫
- 腺癌
- 悪性線維性組織細胞腫(MFH)