HIV脳症

・HIVが直接的に脳を障害。日和見感染ではない。

・HIV感染末期に発症し、CD4陽性リンパ球数は著明に低下(50/μL以下)していることが多い。

・AART導入以前にはAIDS患者の20~40%にみられていたが、導入後の発症頻度は10~15%に減少した。

・初期には注意力低下、自発性減退、記銘力低下。進行すると精神症状や認知症が出現する。

うつ症状を示す気分障害はしばしばみられ、うつ病と誤診されることもある。

・HIV/AIDSにおける脳血管障害のリスクが増加し、若年者の脳梗塞はHIV感染を鑑別にあげる。(血管壁の線維化、変性から紡錘形の動脈瘤、血管狭窄を来たし、脳梗塞や脳出血を生じる)

画像所見

白質病変。T2WI、FLAIRで側脳室周囲白質に異常高信号を認める。前頭葉優位。mass effectはない。U-fiberは侵されない。脳幹や小脳にも進展。

年齢不相応の脳萎縮あり。左右対称性の広範な白質優位の萎縮。DWIで異常はない。

・PMLに比較し、進行は緩徐。

・造影効果を認めない点で腫瘍と鑑別できる。

症例 56歳男性 FLAIR像

HIV-1-associated dementia

AJNR 21:670-678,2000より引用

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