葉状腫瘍(Phyllodes tumor)
- 上皮、間質の両者が増殖〜間質が腫瘍性に増大する。しばしば葉状の構造を伴う。
- 良性、境界、悪性がある。悪性は約20%。
- 細胞異型、核分裂像は目立たないが、20cm以上のものも存在する。
- 線維腺腫の数の2〜3%と少ない。
- 40〜50歳代に多い。
- 主腫瘤の周囲に複数の小さな葉状腫瘍が、時間空間的に多発することあり。再発もあり。
- 再発をする場合は、その度に悪性度が増す傾向あり。
- 治療は外科的切除。十分なmarginをとって完全切除(良悪性の鑑別が困難だから。)
葉状腫瘍のCT、MRI画像所見
- 境界明瞭な腫瘤。
- サイズが小さい場合は線維腺腫と同様。
- サイズが大きい場合は嚢胞性変化や内部出血を伴い、良悪性の鑑別困難。
- MRIにて多くはT2WIでやや高信号-高信号を示す。著明に造影される。そのため、線維腺腫とは鑑別が困難。嚢胞が目立つ場合は、葉状腫瘍を強く疑う。
- ただし、良悪性は画像診断では困難。
症例 40歳代女性
左乳腺に巨大腫瘤あり。
手術にて切除施行。葉状腫瘍であった。
症例 50歳代 女性
右乳腺に巨大腫瘤あり。
手術にて切除施行。葉状腫瘍であった。