ULP型大動脈解離
- 2010年のガイドラインからULP型大動脈解離として独立した。
- 血栓化解離腔内へ突出することがあり(上図参照)、ulcer like projection(ULP)と呼ばれている(画像所見である)。
- ULPは経過中に拡大・瘤化・偽腔開存型に変化・破裂することがあるので厳重な注意が必要である。
- CTにてULPの有無、位置、数、形態の評価をする。
- ULPと混同しがちな病態にIBPs(Intramural blood pools)、PAU(penetrating atherosclerotic ulcer)がある。
- PAUは大動脈の粥状硬化性病巣が潰瘍化して中膜以下にまで達した状態。解離は存在しない。
症例 60歳代男性
真腔から突出するULPを認めている。
Intramural blood pools(IBPs)とは?
- 解離の際に断裂した肋間動脈などから偽腔内に血流が流れ込んだ病態。真腔との連続性がない点でULPと鑑別する。
- ULPと異なり予後は良好。