高血圧性皮質下出血
- MCAやACA、PCAの末梢皮質枝から脳表灰白質を穿通する髄質動脈が責任血管。
- 血流動態的には、被殻や視床、脳幹部への深部穿通枝と比較して、高血圧の影響は少ない。
- 70歳以上に好発し、脳アミロイドアンギオパチーとの鑑別が問題となるが、オーバーラップしているものもあると考えられている。(ともに空間的・時間的に多発したり、クモ膜下出血をともなうことがある。)
- 頭頂葉が好発部位。
- 他の高血圧性脳出血よりも高齢で生じやすいため、若年者の皮質下出血を見た場合は、高血圧性よりも動静脈奇形や硬膜動静脈瘻などの二次性脳出血をまず考慮する。
症例 90歳代女性
左頭頂葉に皮質下出血を認めています。
血管病変など除外され、高血圧性皮質下出血と診断されました。
参考症例 80歳代男性
右頭頂葉に皮質下出血を認めています。
脳室周囲や前頭葉皮質下に陳旧性微小出血を認めていますが、高血圧性脳出血の好発部位である被殻や視床などに陳旧性微小出血がなく、アミロイドアンギオパチーによる皮質下出血が疑われます。