目次
膵胆管合流異常anomalous arrangement of pancreaticobiliary ducts
- 膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天奇形。
- 先天性胆道拡張症を伴うものと伴わないものがある。
- 機能的にOddi括約筋の作用が合流部に及ばないために膵液と胆汁の相互混入が起こる。膵管内圧は胆管内圧よりも高いので、膵液は胆管側に容易に逆流する。
- 膵液と胆汁が混和すると膵酵素が活性化し、胆道粘膜に障害を起こし、過形成、化生、異形成を生じ、最終的に胆管がんや胆嚢がんが発生すると考えられている。
- 胆管拡張あり→胆管癌
- 胆管拡張なし→胆嚢癌 の合併が特に多い。
- 胆管拡張や胆管結石、膵炎の原因にもなると推測されている。若年発症の膵炎では必ず考慮する。
- 胆道癌の発生率が高いので、発見されれば分流手術(肝外胆管切除を行い、消化管と胆管を吻合することにより膵液と胆汁の相互逆流を遮断する)が行われる。
- 胆管拡張を伴うものでは胆管癌の発生比率が高く、胆管非拡張型では胆嚢がんの発生比率が高い。
膵胆管合流異常の画像所見
症例 60歳代男性 IPMNの合併あり。MRCP
共通管の長さが15mmを超えており、膵胆管合流異常の疑い。
症例 70歳代男性 MRCP
2012年放射線科診断専門医問題57番より引用。
共通管の長さが長く、総胆管の拡張を認めていない。
膵胆管合流異常の疑い。
胆嚢がんの合併のリスクがある。
症例 30 歳代の女性。上腹部痛。幼少時から年に数回,同様な腹痛を認めている。
2013年放射線科診断専門医試験問題51より引用。
総胆管の拡張あり。膵胆管合流異常の疑い。
膵炎、胆囊癌、胆管癌、総胆管結石の頻度が高くなる。
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