肝区域は立体的に配置され、画像上での識別には複数の解剖学的指標を組み合わせる必要があります。

肝臓の病変を画像で評価し、その位置を区域として示すことは、

  • 画像による評価や経過観察
  • 治療計画の検討

に関わります。

Couinaud分類では、肝臓をS1からS8までの8区域として扱います。

ここでは、CTなどの断層画像と対応させながら、肝区域の基本的な解剖どの指標で区分し、どのように整理するか、図と画像の流れに沿って解説します。

順番に確認しましょう。

肝臓のCT画像で区域をどう見る?

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肝区域を理解する際は、肝静脈による垂直方向の区分と、門脈枝による上下方向の区分を分けて考えると整理しやすくなります。

最初に、胆嚢窩と下大静脈を指標として左右を確認します。

肝臓の右半肝と左半肝

図で胆嚢窩と下大静脈の位置関係を確認してください。

下大静脈を後方の指標、胆嚢窩を前方の指標として通る仮想線がCantlie線です。この線には中肝静脈が含まれ、右半肝と左半肝を分けます。

Cantlie線を基準に、

  • 解剖学的な右側が右半肝
  • 解剖学的な左側が左半肝

となります。

肝臓の区域を分ける指標は?

右半肝は、右肝静脈を境として、

  • 前方の右前区域
  • 後方の右後区域

に分けられます。

図で位置関係を確認しましょう。

右前区域と右後区域の境界を考える際は、右肝静脈を指標にします。

左半肝は、左肝静脈を指標として左内側区域と左外側区域に分けます。

左肝静脈を境として、

  • 右寄りが左内側区域
  • 左寄りが左外側区域

となります。

続いて、肝静脈を指標にした区分を確認します。

図は次のとおりです。

  • 左肝静脈(LHV:left hepatic vein)
  • 中肝静脈(MHV:middle hepatic vein)
  • 右肝静脈(RHV:right hepatic vein)

の位置関係を追うと、垂直方向の区域境界を把握しやすくなります。

肝静脈は、肝臓を左右方向に区分する指標です。

図では、それぞれの肝静脈の走行をたどってください。

右半肝では、

  • 右肝静脈が右前区域と右後区域を分けます

同様に、

  • 中肝静脈を含むCantlie線が右半肝と左半肝を分けます。
  • 左肝静脈が左内側区域と左外側区域を分けます。

ここまでが、肝静脈を主な指標として区域を左右方向に整理する方法です。

 

次に、「S4」「S7」のように番号で表すCouinaud分類を確認します。

この分類では、肝臓を8つの区域として扱います。

Couinaud分類(クイノー分類)

Couinaud分類では、肝区域をS1からS8までの番号で示します。

ここでも、左右方向の区域と上下方向の区域を分けて整理します。

図に示す対応は、

  • 左内側区域がS4
  • 左外側区域がS2、S3
  • 右前区域がS5、S8
  • 右後区域がS6、S7

です。

S4は、上方のS4aと下方のS4bに分けて示されることがあります。

肝区域S1(尾状葉)とは?

S1は尾状葉です。左右両側から血流を受け、静脈血が下大静脈へ直接流出する区域として説明されています。

肝区域S2とS3の違い・境界は?

左外側区域のS2とS3は、前後ではなく上下の関係で整理します。

  • 上方(頭側)がS2
  • 下方(尾側)がS3

となります。

S2は上方、S3は下方に位置すると覚えるのが基本です。

境界の考え方も確認しましょう。

S2とS3の境界を左肝静脈の主幹
とする説明は適切ではありません。S2とS3は、門脈枝が走行する水平面を基準として上下に区分され、S2が上方、S3が下方に位置します。

一方、左肝静脈の主幹
は左外側区域と左内側区域を分ける指標であり、S2とS3の境界ではありません。肝静脈は垂直方向、門脈枝は上下方向の区分を理解する手掛かりになります。

画像でも確認してみましょう。

門脈枝は、上区域と下区域を分ける水平面を把握するための指標です。

次の図では、S2、S3、S4へ向かう門脈枝と周囲の区域との対応に注目してください。

肝区域S5・S8とS6・S7の違い・境界は?

右半肝では、

右肝静脈を境として、

  • 前方の右前区域がS5とS8
  • 後方の右後区域がS6とS7

に対応します。

では、それぞれを上下に分ける指標は何でしょうか。

上下区域の境界は、門脈枝が走行する水平面を目安にします。

  • 上区域がS7とS8
  • 下区域がS5とS6

です。

下区域では、図のように、

  • 前方がS5、後方がS6

となります。

 

上区域では、図のように、

  • 前方がS8、後方がS7

となります。

右半肝は、下区域の前方から後方へS5、S6、続いて上区域の後方から前方へS7、S8とたどると、番号の配置を整理できます。

下区域では、前方から後方へS5→S6と進みます。

上区域では、後方から前方へS7→S8と進みます。

まとめ

Couinaud分類による肝区域と、画像上での基本的な見分け方を整理しました。

要点は、肝静脈を左右方向の区分、門脈枝を上下方向の区分の指標として捉えることです。右半肝と左半肝は、中肝静脈を含み胆嚢窩と下大静脈を結ぶCantlie線で分けます。

S2とS3は前後ではなく、S2が上方、S3が下方です。右半肝では、下区域がS5・S6、上区域がS7・S8となります。

図とCT画像を往復しながら、肝静脈、門脈枝、下大静脈、胆嚢窩を順に確認してみてください。

腹部CTで肝臓を見る際の基本事項はこちらです。→腹部CTにおける肝臓の基本的見方、わかることまとめ

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