脛骨高原骨折(脛骨近位部骨折、脛骨プラトー骨折)
- 脛骨の関節面を高原に例えて高原骨折という。高原は英語でplateau(プラトー)なので、プラトー骨折と呼ばれることもある。
- 脛骨の垂直方向の圧縮荷重と内反または外反が組み合わさることで生じる骨折。
- 若年者はパンパー外傷、スキーでの転倒、高所からの転落、自動車事故など高エネルギー外傷で受傷するのに対して、高齢者は単純な転倒など低エネルギー外傷で受傷する。
- バンパー外傷とは歩行者の脚に車両のバンパーが衝突して受傷する外傷で脛骨高原骨折の25%を占める。
脛骨高原骨折の画像所見
- 8割は外側の骨折。外側骨折が必発のため外側の骨折線を探す。
- 骨折の形状は高原が沈み込む埋没骨折か、縦割れする縦裂骨折の2パターンある。
- 単純X線のみでは診断が困難な場合があり、MRIで初めて骨折が明らかになることがある。
- 単純X線で側面像でfat-fluid levelを認めることがある。
- 骨折の転位や関節面の陥没がない場合は保存的治療。陥没があれば観血的治療。
- Schatzker(シャッカー)分類やHohl分類が有名。
Schatzker分類
- Ⅰ、Ⅱ型は若年層に多い。
- Ⅱ、Ⅲ型は高齢者に多い。
- Ⅰ〜Ⅲ型は低エネルギー外傷でも生じる。
- Ⅳ〜Ⅵ型は高エネルギー外傷で生じ、予後が不良である。
という特徴があります。
動画で学ぶ脛骨高原骨折(外側)
臥位のレントゲンでfat-fluid levelを認めており、血腫の存在が示唆されます。
CTの冠状断像では、顆間隆起に加えて外側の高原にも骨折線を認めていることが分かる。
参考文献:
- 臨整外 56巻5号 2021年5月 P558-561
- 骨折ハンター P234-236
- レジデントノート Vol.21 No.17(増刊)2020 P144-156