先に結論:脛骨顆間隆起骨折

  • 脛骨顆間隆起骨折は前十字靭帯が付着部の骨ごと引きはがされる裂離骨折で、10歳前後の小児に多く、成人の前十字靭帯断裂に相当するけがです
  • X線・CTで骨片の大きさとずれ(Meyers-McKeever分類 1〜3型)を評価し、ずれの大きい3型などは手術を考えます
  • MRIで前十字靭帯そのものの損傷や半月板の挟み込みがないかも確認します

脛骨顆間隆起骨折

・10歳前後の小児(主に8〜14歳)に好発するが、成人にも発生する(Salvato 2023、Strauss 2018)。

・前十字靭帯損傷と同様、スポーツ外傷や転倒などで、膝の過伸展に外反や回旋の力が加わって発生する(Strauss 2018)。

・前十字靭帯の脛骨付着部は顆間隆起の前方部分に存在するので、この損傷の機序は比較的未発達で脆弱な前十字靭帯の付着部側が牽引されることによる裂離骨折である。

・膝関節の前方動揺性を認めることがある。

・症状はACL断裂に似る。ACLに損傷がないかを確認。

・診断には、単純X線、CTが有用。靭帯、骨折の有無を評価するのにMRが有用なことあり。

・単純レントゲンで、裂離骨片が不明瞭な場合にはMRで骨片の大きさ、位置を確認する。

・裂離骨片の位置はMeyers-McKeever分類により分類する。・MRIの普及に伴い、近年はMRIに基づく新しい分類も提案されている。関節鏡で確かめた68膝の検討では、MRIに基づく分類の分類正確度は91.2〜95.6%(Almolla 2024)と、X線のMeyers-McKeever分類(73.5〜76.5%)より有意に高く、合併する軟部組織損傷の検出正確度も91.2〜94.1%であった。MRIで軟部組織の挟み込み(整復を妨げる)を確認できることも利点である(Almolla 2024、Strauss 2018)。

Meyers-McKeever

1型:骨片の転位がない、またはごく軽微なもの。
2型:骨片の前方1/3〜1/2が浮き上がるが、後方部で母床と連続性があるもの。
3型:骨片の遊離
3+型:骨片が翻転しているもの。(Meyersの文献より引用)
動画で学ぶ脛骨顆間隆起骨折

▶キー画像
tibial tibial1

Q. 顆間隆起(かかんりゅうき)とはどこですか?

脛骨(すねの骨)の上端で、内側と外側の関節面の間にある中央の盛り上がりです。前十字靭帯がここに付着するため、靭帯が強く引っぱられると骨ごとはがれて脛骨顆間隆起骨折になります(Salvato 2023)。

あわせて読みたい:脛骨高原骨折(プラトー骨折)とは?原因と分類(Schatzker分類)、レントゲン・CT画像診断のポイント

参考文献

  1. Salvato D, Green DW, Accadbled F, et al. Tibial spine fractures: State of the art. J ISAKOS. 2023;8(6):404-411. PubMed
  2. Limone B, Zambianchi F, Cacciola G, et al. Management and Outcomes of Tibial Eminence Fractures in the Pediatric Population: A Systematic Review. Children (Basel). 2023;10(8). PubMed
  3. Meyers MH, McKeever FM. Fracture of the intercondylar eminence of the tibia. J Bone Joint Surg Am. 1959;41-A(2):209-20; discussion 220-2. PubMed
  4. Almolla RM, Almalki YE, Basha MAA, et al. MRI-Based Classification for Tibial Spine Fracture: Detection Efficacy, Classification Accuracy, and Reliability. Acad Radiol. 2024;31(4):1480-1490. PubMed
  5. Strauss EJ, Kaplan DJ, Weinberg ME, et al. Arthroscopic Management of Tibial Spine Avulsion Fractures: Principles and Techniques. J Am Acad Orthop Surg. 2018;26(10):360-367. PubMed

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