今日は「アテローム血栓性脳梗塞」について見ていきましょう。
動脈硬化がある人に起こることがある脳梗塞です。
脳の動脈の動脈硬化が進むと、不安定プラークができます。
それによって脳の血管が細くなったり、プラークが破綻したところに血栓形成されて、さらに細くなったり、その血栓が飛んだりして脳梗塞が起こります。
とりあえずは動脈硬化が問題と覚えておけばよいでしょう。
アテローム血栓性梗塞の特徴とは?
動画で学ぶアテローム血栓性梗塞の基礎
▶キースライド
なるほど心原性塞栓症よりも、ちょっと軽い感じがするのですが、その認識で正しいですか?
指導医
そうですね。ベースの動脈硬化は、時間をかけてゆっくり進行します。
徐々に動脈が細くなってくると、これはまずいと側副血行路ができてきます。
いざ詰まっても、一部は別の所から血流を得る事ができるので、梗塞の範囲は、いきなり詰まる心原性塞栓症に比べると狭くなる傾向にあります。
アテローム血栓性梗塞の特徴は以下のようです。
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アテローム血栓性梗塞
- 脳の動脈硬化が原因。厳密には、プラークによる狭窄やプラークの破綻部位(粥腫斑)に生じた血小板主体の血栓に起因する。
- 危険因子は、高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常症、大量飲酒。
- 脳動脈分岐直後の好発する。
- 好発部位:内頸動脈(ICA)起始部、内頸動脈(C2-C1)〜中大脳動脈(M1)、椎骨動脈(V4)~脳底動脈(BA)~後大脳動脈(P1) 参考)頭部MRAの解剖の基本
- 典型的には安静時に発症する。
- 片麻痺、構音障害、時に失語などの皮質症状、意識障害。
- 長い経過により側副路が発達する。急性発症するが段階的増悪する事が多い。
- 発症は緩徐で、数時間から数日。
- 皮質はspareされる傾向あり。
∵皮質枝の末梢は脳表で軟膜髄膜吻合を形成しており、閉塞時には側血行路として機能するから。塞栓性梗塞では機能せず皮質も梗塞に陥る。 - なので、白質優位の梗塞、境界やや不明瞭(皮質枝支配域全体が梗塞になることはない。また、血管性浮腫も弱い)