膵癌のリンパ節転移
・手術では通常第2群まで郭清するため、術前求められるのは第3群リンパ節転移の有無である。
・ただし、術前CTで2群リンパ節転移が明らかな場合も手術適応としていないとも書いてあるものもある。
・膵癌は膵管拡張に伴い随伴性膵炎を来していることが多く、術前CTで1cm前後のリンパ節の転移の有無は炎症性か、転移か診断困難。
・傍大動脈リンパ節転移があれば手術適応外。
・転移性か炎症性か判断困難な場合は、開腹後まず傍大動脈リンパ節生検を行い、転移の有無を確認する。
・他の部位の癌と基本的に同一。短径1cm以上の大きさが目安。
・形状が扁平でなく、球形に近いもの、濃染の程度が強いもの、リング状濃染を示すものは1cm以下でも転移を疑う所見である。
・しかし、画像で陽性として捉えられるリンパ節は癌でほぼ完全に置換されている場合に限られ、一部にしか転移巣が存在しない場合は画像上捉えることは不可。
膵癌の遠隔転移(肝転移)
・膵癌の肝転移の画像所見は一般的な腺癌の肝転移のそれと同一。しかし、粟粒大のものが多発する場合もあり、小さな転移巣の検出能は極めて低い。5mm程度が限界。
・被膜直下に動脈門脈短路(A-P shunt)様の所見を呈する傾向がある。
・Gd-EOB MRIが有用。