Roux-en-Y術後の内ヘルニア
- 外科手術後の解剖学的変化を起因とする内ヘルニアには数多くの種類があるが、臨床的に重篤な絞扼性腸閉塞を発生する頻度が高く重要なのが、Roux-en-Y術後の内ヘルニア。
Roux-en-Yの復習
まず、Roux-en-Yの復習。
※挙上した小腸が、横行結腸の前を通って再建する方法をantecolic reconstructionといい、後を通って再建する方法をretrocolic reconstructionという。
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Roux-en-Y術後の内ヘルニアの種類
- ①空腸端側吻合部に形成される裂隙から発生するもの(meso-jejunal mesenteric window)、
- ②挙上したRoux脚の背側に形成された空間(Petersen’s defect)に腸管が嵌入するもの、
- ③Roux脚を横行結腸間膜内を経由して挙上再建されている(retrocolic Roux脚)場合は、その際形成された欠損孔を原因とする内へルニア(つまり、横行結腸間膜ヘルニア)
が発生することがある。 - antecolic reconstructionの場合→①が多い。ヘルニア門と思われる腸間膜の集簇部位周囲に十二指腸から連続する近位空腸(Y脚)が巻き付くように走行することが多い。
- retrocolic reconstructionの場合→③が多い。
- ②は変形した横行結腸がRoux脚がヘルニア門周囲を取り巻くように走行していることを確認する。
参考文献)