裂離骨折(avulsion fracture)
- 小児、若年者の骨端線は成長軟骨が残存。
- 骨端線は筋肉・腱、靭帯より強度が低く、牽引力によって骨端線離開が生じる。
- 骨盤では二次骨端(apophysis)に好発する。成長期を過ぎると骨端線は閉鎖するので頻度は低くなる。
- 突然の局所の疼痛で発症する。
- 安静による保存的加療で軽快する。
裂離骨折の画像所見
- レントゲンでは、裂離した骨片の同定、骨折線の骨欠損や辺縁不整。慢性期には骨皮質の肥厚を認める。
- MRIでは付随する筋・腱の損傷、骨髄浮腫が脂肪抑制T2WIで高信号として認める。
裂離骨折の好発部位と付着する筋、代表的な原因、骨癒合の年齢
好発部位 | 付着する筋 | 代表的な原因 | 骨癒合の年齢 |
坐骨結節 | ハムストリング=後大腿筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)、 | ランニング、ジャンプ、チアリーディング | 20-25歳 |
上前腸骨棘 | 縫工筋、大腿筋膜張筋 | ランニング、フットボール | 16-20歳 |
下前腸骨棘 | 大腿直筋 | ランニング、サッカー、ホッケー | 25歳 |
恥骨結合(and恥骨下枝) | 内側大腿筋群(長・短内転筋、薄筋) | サッカー | 20-25歳 |
腸骨稜 | 腹筋群 | ランニング、フットボール | 17ー18歳 |
小転子 | 腸腰筋 | 多くは高齢者の骨転移による | |
大転子 | 中・小臀筋、内閉鎖筋、双子筋、梨状筋 | 高齢者で急な腰の捻転 |
参考文献:
- 骨軟部疾患の画像診断 第2版 P46-49
- 骨軟部画像診断のここが鑑別ポイント 改訂版 P96-97