IgG4関連胆管炎(IgG4-related cholangitis)の画像診断
- IgG4関連硬化性胆管炎、自己免疫性膵炎関連胆管炎、自己免疫性膵胆管炎などと呼ばれる。高頻度に合併あり(40%との報告もあり)。
自己免疫性膵炎との関係は、
- 自己免疫性膵炎+胆管炎
- 自己免疫性膵炎→胆管炎
- 胆管炎のみ
の場合がある。
IgG4関連胆管炎の画像所見
- 胆管の広範囲な全周性壁肥厚。
- 胆管壁の正常層構造(壁肥厚が顕著な場合)。
- 胆管の多発あるいは限局性の狭窄像。
- 軽度-中等度の末梢胆管拡張。
- 胆管狭窄は下部胆管に多いとされるが、肝門部胆管や肝内胆管の狭窄もしばしば認める。
- 肝門部胆管周囲に腫瘤(広義の炎症性偽腫瘍)を形成することがある。
IgG4関連胆管炎とPSCの鑑別
- 内視鏡的逆行性胆管造影では、PSCの胆管狭窄はIgG4関連胆管炎よりも狭窄範囲が狭い(band-like stricture)。
- PSCに典型的な胆管像とされる数珠状変化、憩室状突出がIgG4関連胆管炎で認められない。
- ただし、MRCPのみでPSCとIgG4関連胆管炎を鑑別することは困難であることを覚えておく。
動画で学ぶIgG4関連胆管炎
▶キー画像
肝門部にも胆管の狭窄を認めています。また胆管壁の肥厚を認めています。
MIP像でもその様子を確認できます。
膵臓は腫大して丸みがあり、自己免疫性膵炎+胆管炎を疑う所見です。